沖縄近海に軽石が漂流し漁業活動に支障が出ている問題で、漁業者から補償を求める声が上がっている。災害などで漁に影響が出た場合に損失を補償する保険や共済制度はあるが、加入していない漁業者もいるため、県漁業協同組合連合会(県漁連)は県に新たな支援策を求めている。10月~来年2月まではモズク栽培のため養殖場で種付けを行う時期だが、出漁できない漁業者も多い。マグロ漁にも影響が出ており、生産量や収入への影響は避けられない状況だ。(政経部・又吉朝香)

南城市知念の海野漁港には軽石が大量に漂着し、全ての漁船が出漁自粛している=1日(知念漁業協同組合提供)

 県によると2日現在、県や市町村が管理する91漁港のうち24漁港に軽石の漂着を確認している。さらに6漁港へは大量に軽石が漂着しており、漁業活動に支障が出ている。

 知念漁業協同組合では5日現在、登録している約130隻すべての漁船が出漁を自粛しており、モズク栽培やマグロ漁に影響が出ている。

 すでにモズクを種付けした漁業者でも、軽石の一部が沈殿しモズクに付着してしまえば、水揚げしても販売できない可能性があると不安がる。潮の流れにもよるが、生産量は例年の3~4割ほど減少する恐れもあるという。同組合の亀濱通参事は「組合員の8割以上は保険に入っているが、軽石被害が保険の対象になるのか分からず、漁業者は不安でいっぱいだ。県や国は補償の基準を示してほしい」と求めた。

 那覇市のマグロ漁師は軽石の影響で漁に1週間以上出ていないという。「コロナ下では魚価が下がって収入も減少し苦しい思いをしたが、今回は漁にさえ出られない。収入はゼロだ」と吐露。「漁業共済などでの支援拡充を早急に検討してほしい」と求めた。

 県漁連はこれまでに県に対して、県内漁業者の経営や生活を守るため国に休漁補償などの支援策を求めるよう要望している。

 上原亀一会長は、漁業共済に加入していない小規模漁業者もいるとした上で「軽石だけでなく、燃料高騰などの問題もあり、漁業者は苦しい経営状況に陥っている。国や県、市町村レベルでの幅広い支援が必要だ」と訴えた。

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