復帰したら沖縄にも雪が降る-。日本復帰の機運が高まる中、県内ではそんなうわさ話が広まった。沖縄気象台によると復帰後、沖縄で実際に雪が降ったことが確認されている。

 沖縄気象台が県内で雪の観測を始めたのは、那覇に初めて気象台が設置された1890年7月1日から。雪を観測できる観測所は、那覇と名護、久米島など県内では8カ所のみ。そのほかの地域で雪が降っても記録には残らない。

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初の観測は1977年の久米島

 気象台が記録している初めての雪の観測は1977年2月17日の久米島。午前0時35分から午前0時40分の間に気象台職員が目視でみぞれを観測した。みぞれは雨と雪が交じった気象現象で観測分類上は「雪」に含まれる。

あられが降ったことを伝える1977年2月17日の沖縄タイムス夕刊。同じ日に久米島ではみぞれ(雪)が観測されていた

 当時の最低気温は久米島で6・7度。那覇でも7・1度と冷え込んだ。沖縄を含め、全国的に大寒波に襲われ、異常低温と大雪が発生。全国では死傷者や家屋倒壊が相次いだ。

 次に沖縄で降雪が観測されたのは、2016年1月24、25の両日。名護で24日夜、久米島で24日夜~25日未明にかけて断続的にみぞれが確認された。名護のみぞれは1966年の気象台観測開始以来初めてだった。

 当時の最低気温は、久米島で24日5・2度、25日5・9度。名護でも24日5・5度、25日5・7度とそれぞれ5度台まで下がった。両日は西高東低の冬型の気圧配置となり、強い寒気が流れ込み沖縄や西日本を中心に記録的な低温に。鹿児島県名瀬でも2016年1月24日、115年ぶりに降雪した。

江戸時代にも降雪の記録

 沖縄の歴史書『球陽』には、気象台の観測開始以前に、沖縄本島や周辺離島で確認された降雪の記録がある。同書によると、日本が江戸時代、沖縄では琉球王国の時代だった1700~1800年代にかけて複数回、雪が降った。正式なデータではないが気象台によると、みぞれと混同されがちな「あられ」は少なくとも52回以上確認されている。

 雪が降る条件について気象台防災調査課の国吉真昌課長は「気温と湿度が大きく関係する」と説明する。太平洋側で雪が降るためには地上の気温が1~2度以下となることが条件となる。海で囲まれた沖縄は湿度が高いため雪が降るのは「珍しい」という。

 復帰と降雪の関わりについて国吉課長は「復帰したから雪が降ったのではなく、低温などの気象条件により降雪した」と説明。今後沖縄に雪が降る可能性については「十分に考えられる」と話した。(社会部・玉城日向子)