無料通信アプリLINE(ライン)の沖縄県与那原町公式アカウントに2月から、小中学校へ欠席を届ける機能が追加されて登録者が増えている。これまで電話でやりとりしていた労力が軽減され、学校、保護者ともに使い勝手は好評。町は登録者増を受けて各種意向調査にも活用し始め、「今後は行政の意思決定のツールにもなり得る」と注目する。(南部報道部・松田興平)

小中学校の欠席届機能がある与那原町のLINE画面=与那原町役場

 町によると、LINEを活用して欠席を届ける仕組みは県内自治体では初めてで、全国的にも珍しいという。

 公式アカウントを開設した1月は登録者200~300人。2月から欠席届機能を追加して登録は右肩上がりで11月1日現在7577人。

 町ではもともと町内3小中学校の職員たちが朝、欠席届の電話対応に追われている現状を把握していた。

 そこで幅広い世代が連絡手段として使うLINEに注目。欠席届機能を加えると保護者に登録が広がった。

 与那原東小では日々、10~20人の欠席者がいるという。午前7時半から8時すぎまで電話で連絡に対応。島袋健教頭は「LINE連絡が可能になって電話件数は半分以下に減った印象。その分、朝の時間に余裕が出た」と語る。

 町は8月、保護者ら向けに欠席届機能の意向調査を行い、満足度は94・8%に達した。公式アカウント内の「欠席連絡」の項目から学校名を選び、あとは学年とクラス、氏名を記入して「体調不良」「けが」など理由を選ぶ手軽な手順が評価につながっているようだ。

 5月から始まった新型コロナウイルスワクチンの集団接種でもLINEでの予約システムを設けた。さらにワクチン接種のアンケートにも活用。9月14~20日まで行った調査では約7千人の登録者から約2千人の回答を得た。

 公式アカウント管理者であり、欠席届機能の発案者である町総務課の臼井洋平さん(36)は「1週間でこの人数の反応を得られたのは予想以上だった」と手応えを得た。

 臼井さんは今後、LINEによる町民意向調査を施策方針などの判断材料として生かせることも期待する。

 高齢者層の声も吸い上げる手段の確保が課題と前置きした上で「行政に意見を伝える方法としてLINEが定着すれば、多くの声を反映しつつスピードを伴った判断につなげられる可能性を秘めている」と語った。