ざっざっざっざっ-。専用のくしで体をブラッシングすると、黒々とした大きな闘牛が気持ちよさそうに目を閉じた。「普段はこんなに穏やかなんです」と笑顔で世話をするのは、浦添中学校3年の眞榮里優翔さん(15)だ。小学校2年生の時に初めて見た闘牛に魅了され、今では学校が休みの日になると、うるま市石川にある「貴花グループ」の牛舎まで通って世話を続ける。(中部報道部・仲村時宇ラ)

闘牛の世話をしながら「普段は穏やかでおとなしいんです」と笑顔で話す眞榮里優翔さん=16日、うるま市石川

■カッコよさに憧れ

 闘牛との出合いは小2の6月。大きな闘牛を乗せたトラックを見掛けた眞榮里さんが「闘牛を見てみたい」と父の繁司さんに頼み、急きょ石川の闘牛場に出掛けた。

 初めて見た闘牛は「ものすごい迫力で圧倒された」と目を輝かせて語る眞榮里さん。自身も相撲をしていることから、戦う闘牛の闘志や多彩で力強い技、その格好良さに憧れ、すぐに夢中になったという。

■普段は優しい性格

 現在の牛舎に出合ったのはその年の冬。県内各地の牛舎を見学して回っているうち、牛の世話をさせてもらえるようになった。すると普段の牛が驚くほどおとなしく優しい性格で、戦うときとは全く違う表情をしていることに気付き、さらに牛が好きになっていった。

 牛と関わる中で、牛のひづめを整える削蹄(さくてい)の資格を持つ「削蹄師」という将来の夢も見つかった。牛のひづめは「第二の心臓」とも呼ばれ、その状態一つで牛の体調が大きく変わる重要な箇所。牛の体調を見極め、適切な削蹄ができる削蹄師の技術は牛の飼育に大きな役割を持っている。

■すごさを実感

 今年の夏には、実際に削蹄師のすごさを感じる出来事もあった。眞榮里さんが世話を続けている牛の足が悪くなった際、これまでと違った削蹄方法を試したところ、足や姿勢が良くなり、食欲が増して体重も増加していったという。

 「ひづめを切る技術一つでこんなに牛の状態が良くなるなんて、本当にびっくりした」とさらに憧れを募らせた眞榮里さん。

 今では牛が寝ている際にひづめの状態を細かく観察したり、削蹄師が牛舎に来るたびに話を聞くなど、専門的な知識を深めている。