東北大大学院や琉球大、沖縄県立博物館・美術館などの研究グループが県内の洞穴で採取した貝の化石と鍾乳石から2万3千年前の沖縄の気温を割り出すことに成功した。20世紀前半に比べて6~7度低かったことが分かった。

研究で推定された過去の沖縄の気候推移

 グループリーダーで東北大大学院准教授の浅海竜司氏によると、当時の気温は年平均で13・2度~16・2度を推移。国内では高知県や宮崎県の気温に相当することから、「温帯気候で冬には雪が頻繁に降っていた可能性があった」と考察する。

 約1万3千年~約1万6千年前は、20世紀前半に比べて気温が4~5度低かったことも判明した。

 グループは2017年に研究を始めた。南城市のサキタリ洞遺跡から出土した約2万3千年前と約1万3千年~約1万6千年前の巻き貝「カワニナ」の化石から酸素量を分析。同市の玉泉洞内で約5万年前から成長を続け、当時降った雨水が保存されていた鍾乳石「石筍(せきじゅん)」を解析して過去の気温変化などを推定した。

 貝化石と鍾乳石から沖縄の気温を冬と夏の季節ごとに把握したのは国内で初めてという。今回の手法を活用して今後、沖縄の別時代の気温や雨量変化も調査する方針。研究成果は科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

 浅海氏は地球温暖化がもっと急激に進んだ時代はあり、今回の研究は温暖化に焦点を当てたものではないと説明。「気温が分からない空白の年代を埋められれば沖縄の気温のメカニズムが解明できる」と期待した。(社会部・砂川孫優)