自衛隊や米軍による演習が活発化している。

 演習激化は今に始まったことではない。しかし、これまでと大きく異なるのは、中国をにらんだ訓練が主流になってきたこと、自衛隊が前面に出てきたこと、日米の軍事一体化が進み、沖縄の戦場化を前提とした合同演習が行われるようになってきたことだ。

 19日に全国各地で始まった自衛隊の統合演習は陸・海・空の自衛隊3万人に、車両1900台、艦艇10隻、航空機140機を投入する大規模なものである。今回、在沖海兵隊など米軍5800人も初めて参加する。

 県内では、北大東村の米軍沖大東島射爆撃場を使った実弾射撃訓練、宮古島のミサイル部隊による対艦攻撃訓練、電子戦部隊配備を目指す与那国島での電子戦訓練などが実施される。民間の石垣港や祖納港、中城湾港を使い、人員や車両も運ぶ。

 同日、海上自衛隊の輸送艇が寄港した石垣港では、市民団体が集会を開き「軍事使用反対」と抗議の声を上げた。

 より実戦を意識した内容に、有事の際「標的」となるのではないかとの不安が広がっているのだ。沖縄戦を思い起こしたという人も少なくない。

 21日には中城湾港に防衛省が借り上げた民間船舶が寄港し、車両約150台を運び込むという大がかりな輸送訓練も予定されている。

 沖縄にとって港は生活を支える重要インフラである。民間港の使用が既成事実化し、常態化することを危惧する。

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 これだけではない。

 今月に入り、米軍普天間飛行場でMV22オスプレイによるつり下げ訓練が続けて確認されている。

 つり下げは危険度の高い訓練だ。過去には少女の命を奪うという痛ましい事故もあった。そもそも街のど真ん中にある飛行場でやるべきではない。

 さらに19日には、普天間のオスプレイ3機、20日にはCH53とみられるヘリが那覇軍港に相次いで着陸し、周辺住民に不安を与えた。

 基地の使用目的を定めた、いわゆる「5・15メモ」で、那覇軍港は「港湾施設および貯油所」となっている。飛来は想定されておらず、目的外使用になる。

 普天間の危険性除去と言いながら、つり下げ訓練や目的外使用を認めるようでは、政府の本気度が疑われる。中止申し入れなど毅然(きぜん)とした姿勢を示すべきだ。

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 政府は事あるごとに沖縄の負担軽減を強調する。実際のところその中身は辺野古新基地建設を進めることである。いつまでに工事を終え、その間、普天間をどうするのか、肝心な点には答えない。

 政府にも米軍にも一日も早く何とかしなければというモメンタム(勢い)が失われていることが、最大の問題といえる。

 県は軟弱地盤に伴う設計変更申請について、最終判断の時期を慎重に検討している。その際、膠着(こうちゃく)した状況を動かすようなメッセージを全国に向け発信し、復帰50年の内実を問うことが重要だ。