沖縄県内で数少ない“外国出身タクシードライバー”として奮闘している女性がいる。ロシア出身のネドスツポヴァ・マリアさん(44)は、沖東交通グループのドライバーとして、主に那覇市内を走り回っている。マリアさんは「新型コロナが落ち着き、今後は海外のお客さまにも楽しんで乗車してほしい」と、アフターコロナのプランを描く。(社会部・豊島鉄博)

県内では数少ない海外出身のタクシードライバーとして勤務する、沖東交通グループのネドスツポヴァ・マリアさん=那覇市真嘉比・沖東交通那覇営業所

 マリアさんはロシア東シベリアのイルクーツク州出身。2006年に来日後、茨城県の飲食店などで勤務したが、昨年7月に沖縄へ引っ越した。「日本で最初に旅行したのは沖縄。昔から好きで10回以上は通っていた」と振り返る。

 ロシア語、日本語、英語と3カ国語を話せるマリアさん。当初はアパレル店で働いていたが、以前から興味があった運転関係の仕事をしようと、タクシー乗務員を志望した。スマホのアプリなどで1日2~3時間の猛勉強の末、ことし6月、タクシー運転に必要な第2種運転免許を一発で取得。7月中旬から、同グループ初の外国出身ドライバーとして走り始めた。

 現在は週に5日、早朝から夕方まで勤務。「慣れない道も多いけど、お客さんに優しく教えてもらうこともあり、ありがたいです」。明るい人柄のマリアさんの運転は、県民や観光客から「楽しかった」「元気をもらった」と好評だ。

 県ハイヤー・タクシー協会で会長も務める沖東交通の東江一成社長によると、県内では外国出身のドライバーはほとんどいないという。日本で普通免許を取得して1年以上たたないと2種免許を取得できないことなどが主な要因という。

 一方で、県内の女性タクシー乗務員は、13年に134人だったのが21年には204人へと増加している。「タクシーは接客業。ぜひ女性乗務員のロールモデルとして成長してほしい」と期待した。

 すでに日本国籍を持つマリアさん。コロナ禍の後には、海外からの観光客にも乗車してもらいたいと考えている。「今は自分のスキルをなかなか使えていないが、将来的にはいろいろな国の人たちに沖縄の良さをいっぱい紹介できたらいいな」と笑顔を見せた。

(写図説明)県内では数少ない海外出身のタクシードライバーとして勤務する、沖東交通グループのネドスツポヴァ・マリアさん=那覇市真嘉比・沖東交通那覇営業所