[アクロス沖縄](160)すみだ水族館飼育スタッフ 大城奈都稀さん(28)=神奈川県出身

 年間約300~400万人もの来場者がある都内屈指の観光スポット、東京スカイツリー内に併設されたすみだ水族館で、人気のマゼランペンギンやオットセイの飼育を担当。健康管理や生態調査だけでなく生き物の表情や性格も把握し、来場者のナビゲーターとしても多忙な日々を送る。

 「生き物は苦手だった」という過去から歩んだ飼育スタッフへの道には父の故郷、沖縄の自然が影響を与えていた。活発だった幼少期。那覇市出身の父親に連れられて宮古島や池間島など海水浴に行くのが夏休みの楽しみだった。でも「生き物は何を考えているか分からない」と触れることさえできず、心配した両親に伴われて釣りや水族館、動物園に行く中で次第に恐怖心を克服していった。

 転機はペンギンとの出合い。「なぜ飛べないのか?」という一つの疑問が大きく膨らみ、興味を引かれた。図書館や水族館に通ううちに恐怖心は消え、「もっと知りたい」と高校1年で飼育員を志す。進路を両親に伝えたところ、「一番ないと思っていた仕事。本気なのか?」と心配されたが、意思は固かった。高校卒業後に動物専門学校を経て「誰もが来やすい場所で生き物との触れ合いの機会をつくりたい」と関東近郊の都市型水族館を志望した。

 その中で縁があったのが2012年3月に開館したすみだ水族館。ショーを行わないと聞いて最初は想像ができなかったが、国内最大級の屋内開放水槽を売りに、自由導線を設けて生き物との距離を縮めた独自のコンセプトに共感した。

 念願のペンギン飼育員。最初は約50羽の名前を覚えるところから始まった。...