沖縄県うるま市平安座島に今年10月「助産院ばぶばぶ」がオープンした。運営するのは子育てに関する情報を発信し、33万人以上の登録者がいる人気ユーチューバーの「HISAKO」(本名・黄瀬寿子)さん(47)。助産師・看護師として、これまで12人を出産した母として、その経験を生かして活動をしている。

「助産院ばぶばぶ」をオープンした助産師のHISAKOさんと夫のMARKさん=10月23日、うるま市平安座島

■多い若年出産 離婚率も高い沖縄

 もともと大阪で同名の助産院を開いていたHISAKOさん。講演会で鹿児島の離島を訪れた際、島の女性が抱えるさまざまな苦悩に触れたことが沖縄に関心を持つきっかけになった。

 出生率が全国一で子だくさんな一方、若年出産が多く離婚率も高い沖縄。島の女性が抱える悩みは自身の子育て経験と重なる部分も多く、「私ならこのお母さんたちの悩みに寄り添うことができる」という思いが生まれたと話す。

 「訪れたお母さんが元気になるような自然豊かな場所を」と助産院の場所を探すうち、平安座島に出合った。海中道路の眺めや島の雰囲気が気に入り、現在の土地を購入した。

 和風でモダンな助産院の設計は主に夫のMARK(本名・黄瀬正道)さん(61)が担当。癒やしの空間を作るため、緑豊かな庭や日光が差し込む屋根の造りなど、徹底的にこだわり抜いたという。

■夫婦で「いのちの授業」

 助産院を運営する傍ら、ボランティアで行う「いのちの授業」が夫婦のライフワーク。沖縄への移住後も約1年半の間に各学校20校以上で開催した。

 実際に学校を回り、子どもたちと接する中で、貧困の連鎖や自己肯定感の低さなど「沖縄の子どもたちが抱えている問題は想像以上に根深いと感じた」と話すHISAKOさん。「問題の連鎖を断ち切りたい」と妊娠・出産などについて解説しながら、命の尊さや自分の存在価値を伝える。

 20年5月に開始したユーチューブチャンネル「助産師HISAKOの子育てチャンネル」も、時間や場所、経済的な理由で助産院を利用できない人にも、自らの経験や知識を伝えたいという思いからだ。

 「一人でも多くの困っている女性に寄り添い、力になりたい」とこれからの活動にも意欲を見せた。