【東京】子ども・若者の育成支援や社会貢献活動に功績があった個人と団体を表彰する内閣府の2021年度「未来をつくる若者・オブ・ザ・イヤー」で、生活困窮世帯等向けの食糧支援に取り組む沖縄県内の学生団体VONS(ヴォンス)(島袋未結代表)が内閣総理大臣表彰を受賞した。また、「子供と家族・若者応援団表彰」の子供・若者育成支援部門では、浦添市の港川自治会(銘苅全郎会長)が内閣府特命担当大臣表彰に輝いた。25日に内閣府で表彰式があった。
VONSは昨年5月に結成。コロナ禍の臨時休校などで給食がなくなり空腹の子どもたちが多い現状を知り、食糧の寄付を集めて福祉団体などへ届ける「MUGムグフードプロジェクト」を開始した。現在、高校生と大学生約10人で活動している。
琉球大学1年の島袋代表(20)は「地域の方々から心のこもった寄付を受け取ることが何よりもうれしかった。同じような思いを持った学生たちと連携し活動の幅を広げたい」と話した。国際基督教大学1年の平識雅さん(20)は「これからも思いを形にできる団体を目指して頑張りたい」と喜んだ。
港川自治会は、2004年から海の生き物観察会などを通じて幅広い世代が交流する「里浜活動」に取り組み、学校と連携した環境学習を継続。「地域子ども教室・放課後子ども教室」として三線や空手などのプログラムも続けている。また、17年から毎週延べ110人の子どもたちが公民館を居場所として活用。食事も提供している。
同自治会青少年未来育成部の知念美幸さん(38)は「自治会の強みは日常的に継続して活動できること。会員も非会員も関係なく子どもたちをみんなで一緒に育て、世代を超えて交流を深めてきた」と説明。小笹睦美さん(52)は「自治会の存在意義を再確認した。この動きが県内、全国にも広がってほしい」と話した。