[ゴリレターfromタイムス](5)

 「拝啓、元ヤンの臭いがする苗子さまへ」。八重山民謡の重鎮、大工哲弘さんの妻、苗子さま、お元気ですか? 先月、東京の日比谷野外音楽堂で行われた「琉球フェスティバル」での再会、僕は胸ぐらをつかまれるんじゃないかとドキドキしておりました。

 なぜなら僕が監督した映画「洗骨(せんこつ)」を見たアナタが「面白かったよ、軟骨(ナンコツ)」と言い間違えたことを、この連載に書いたら、すぐ抗議の電話をかけてきて「ゴリぃ! あんたのせいで道歩くと回りから、ナンコツ!ナンコツ!って、バカにされるだろぉ!」とまるで借金取りのような口調で責め立ててきたからです。

 僕は借金もしていないのに、アナタにお金を払いそうになりました。でも再会したアナタは怒ることもなく「今も周りがナンコツ、ナンコツって言ってくるからさぁ、私はナンコツじゃなくてトンコツですっ! って言い返すようにしてるさぁ」と自分の失敗談をネタに変え、たくましく生きている姿を伝えてくれましたね。アナタなら氷河期でも死なないでしょう。

 夫の大工さんには優しくしていますか? 大工さんにはたくさんの弟子がいます。若い女性だっています。その女性が「大工さん、一緒に写真撮ってください」と言うことだってあります。なのに女性と写メを撮る大工さんの表情が少しニヤついたように見えたからといって、後ろから忍び寄り、耳元で...