人気バンド「King Gnu」が10月15日、新曲「BOY」のミュージックビデオ(MV)をYouTubeで公開した。11月29日午前10時現在、再生回数は1500万回を超えている。MV内で登場する子どもたちが駆け回る舞台となっている場所が、沖縄県沖縄市照屋にある老舗商店街「銀天街」だ。国内のアーティストの中でも高い人気を誇るKing Gnuの今回のMVは、どのような経緯や思いで銀天街で撮影されたのか。King GnuのMV全ての監督を務め、今作も監督として関わった映像作家のOSRIN(オスリン)さんに話を聞いた。

 OSRINさんはKing Gnuの常田大希さんらと共に結成したクリエイティブレーベル「PERIMETRON(ペリメトロン)」のメンバーとして活動。King GnuのMVはインディーズ時代から制作している。YouTubeで3億7500万回以上再生され、2019年にはNHK紅白歌合戦でも披露された、King Gnuの「白日」のMVも手がけた。そのほかにもMr.Childrenや人気女性グループ「BiSH」のアイナ・ジ・エンドなど、さまざまなミュージシャンのMVやCDジャケットも手がけている。

 銀天街は、沖縄県沖縄市のコザ十字路近くにある商店街。戦後にできた「十字路市場」と「本町通り」が、沖縄の日本復帰後の1978年に統合されて発足した。同年にはアーケードが作られたものの、老朽化などから2020年10月に撤去された。

ーー今回の新曲「BOY」のMVはどのようなコンセプトで作られたのでしょうか?

 BOYに関しては、MVの企画前の段階でテレビ番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系列)で曲を披露することが決まった時に、(King Gnuメンバーの常田)大希が「自分たちが出るんじゃなくて、男の子たちを(スタジオやMVに)出したい」と提案したんですね。俺はそれに対して「嫌だよ」と言ったんですけど(笑)。子役の男の子たちを使うのはすごい大変な撮影になっちゃうんで。でも、どうしてもテレビの演出でそういう風にやりたいんだという話をしていたんで、「じゃあ子役で決めよう」という形になって。「BOY」というタイトルもあるし、それが発端でしたね。

ーー男の子たちが過ごす町として、沖縄市の銀天街を選びましたが、どうやって知りましたか?

 銀天街は沖縄にいるコーディネーターに聞きました。そもそも、基本的に沖縄に撮影に行くと、海や夕日を撮ることが多いと思うんですけど、そこには目もくれず「日本じゃないところをください」ってお話ししました。異文化が混ざってたりとか、そういうものに影響された街がいいと。日本全国いろいろ調べたんですけど、その中で一番、沖縄市の銀天街がマッチしていました。

 あと、子どもを撮影する際、一般的な日本っぽい場所で撮ると「この子たちの親はどこに出てくるんだろう」とか、そんな現実的なことが見ている人の中で疑問に浮かぶこともある。沖縄の方からしたら、銀天街って当たり前の景色かもしれないけど、僕ら違う県の人間からすると、とてつもなく魅力的な場所だなというのがあったので、そこを選ばせていただいたのが本音ですね。

ーー実際に足を運んでみた印象はいかがでしたか

 銀天街を実際に見て「ここ以外ありえないな」と思いました。それには率直な理由があって、店舗ごとに日差しをよけるため、カラフルな日よけがついているのがとてもポップだったし、歴史が強く残っている壁の色も相まって、どちらかというと香港や台湾にも見えたりしました。でもやっぱり香港や台湾でもこういう感じじゃねえなあ、みたいな感じがあって。かなり唯一無二な景色。子役だけ(の撮影)で不安だったので、場所の良さというのがマストでしたが、実際に行って一瞬で魅了されましたね。

ーー特に気に入った場所はありますか? 

 MVの冒頭で、...