立憲民主党の新しい代表に47歳の泉健太政調会長が、選出された。衆院選で敗北、支持率が伸び悩む中、逆風下の船出である。

 来夏に迫る参院選に向け、党勢回復や共産党など野党との共闘の在り方が課題となる。挙党態勢を構築できるか、手腕が問われる。 

 逢坂誠二元首相補佐官を決選投票で破り、野党第1党の党首に就いた泉氏は「国民の目線で国民中心の政治をしていく」と決意を語った。

 代表選挙では4人が政策を競い合い、「枝野1強」からの世代交代を印象付けた。

 多様性とジェンダー平等を掲げる政党として、泉氏は、執行部の半数を女性にしたいと語った。政治分野で遅れる男女平等の実現にぜひ力を発揮してもらいたい。

 新代表がまず取り組まなければならないのは、議席を減らした衆院選の総括だ。小選挙区で、共産党を含む候補者の一本化は、間違いではなかったという認識は持つ。

 ただ、泉氏は、就任記者会見で「限定的な閣外からの協力」とした共産党との政権構想に関し「単に継続ではなく、しっかりと総括しなければならない」と強調した。一方、国民民主党については「近い政党で、きょうだいのように思われている」と述べ、関係改善に意欲を見せた。

 共産党との共闘や目指す政権の枠組みについて、党内の十分な議論と国民に向け丁寧な説明が必要だ。若い党首の誕生を機に、かつての民主党時代の路線対立を繰り返すような党運営を脱し、一丸となって再出発してもらいたい。

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 名護市辺野古の新基地建設問題で、泉氏は移設中止という党の方針を引き続き前提とする。「民意を重視し、辺野古の工事を止め、米国と再協議する」との立場だ。

 沖縄振興については「県民所得などに課題があり、コロナ後の社会構造変化に対応する必要もある。基地問題とリンクさせない」と強調している。

 県内では、新基地建設に反対する「オール沖縄」の一翼として、共産や社民、社大などと連携するが、組織力や議員数で、その影は薄い。野党第1党である立民が支持を広げ、「オール沖縄」の接着剤として役割を果たすことが、辺野古阻止に向けた力にもなる。

 党勢回復には、市町村など地方議員を地道に増やす組織づくりなど、地に足の着いた日常活動の強化が欠かせない。そこから地域や有権者が求める政策が見えてくるはずだ。

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 参院選まで残された時間は少ない。立民が政権につけば、これまでの自公政治から、どう変わり、日々の暮らしがどう改善されるのか。

 党としての体系化した政策を国民に示すことが重要だ。

 政治に緊張感を取り戻すためには、政権の受け皿になる対抗できる野党が必要だ。 

 泉氏は、政権担当能力を持つ「政策立案型政党への成長」を掲げる。

 リベラル層にとどまらず、若者など幅広い層に訴える政策を党全体で磨き上げる時である。