今年6月に沖縄県うるま市昆布の米陸軍貯油施設から有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)汚水が漏出した事故を巡り、県、国、米軍の3者が施設内で実施した水質調査で国の暫定指針値50ナノグラムの約1600倍に当たる約8万ナノグラムのPFASが検出された。地域住民からは健康への不安や、公表の遅れに対する怒りの声が上がった。

PFOSなどを含む消火汚水が漏出したとみられる米陸軍貯油施設(中央)。周辺には住宅地が広がる=12日午前10時35分、うるま市昆布(小型無人機で撮影)

■安心できない

 PFASが検出された貯水槽は、泡消火剤を希釈する真水を入れたもので、県道75号沿いのフェンスの目の前にある。貯水槽から続く排水溝は県道の地下を通り、住宅や畑がある集落内の水路を経て天願川へ流れ込んでいる。

 昆布自治会の與古田敬子自治会長は「安全性に問題ないと聞いていたので、基準値の1600倍とはびっくり。住民の健康や生活が脅かされ、安心できない」と不安を訴えた。

 天願川では子どもたちがよく釣りをして遊んでいるのを見掛けるといい「住民の健康への影響がまずは知りたい。安全性も調査して明らかにしてほしい」と話した。

■公表遅れ怒り

 天願自治会の照屋勇自治会長は「『天願川を清流に』と皆で清掃活動などをしている。住民にとって大切な川に汚染物質を流すとは許せない」と憤った。

 また、調査結果が地域住民に公表されていないことに「国も県も何のために調査しているのか。結果が出ていたのなら、事実は事実として速やかに公表すべきだ。米軍の都合で左右されることがあってはならない」と怒りの声を上げた。

 「有機フッ素化合物汚染から市民の生命を守る連絡会」の伊波義安共同代表は「希釈用の水タンクですらこれだけの濃度と考えると、原液はどれだけの濃度なのか。こうした状況が復帰以降続いていると考えると、蓄積した土壌汚染や、流れ込む海の生物の生体濃縮も心配だ」と話した。

 また普天間飛行場の汚水処分費用を日本側が負担したことを指摘し「汚染者負担の原則にのっとり、汚染水は米側が回収して処理すべきだ」と求めた。

(参照記事)米軍PFAS汚水1600倍 調査後公表せず