6月に沖縄県うるま市昆布の米陸軍貯油施設「金武湾タンクファーム3」から有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を含む消火汚水が漏出した事故で、県と国、米軍の3者が事故後実施した調査の結果、汚水のPFAS含有量は1リットル当たり約8万ナノグラム(ナノは10億分の1)に上っていたことが2日、関係者への取材で分かった。国の暫定指針値(50ナノグラム)の約1600倍に当たる。事故当時、米軍は安全性を強調していたが、実際には極めて高濃度のPFAS汚水が施設外に漏れ出た可能性が高くなった。(社会部・砂川孫優)

米軍立ち会いの下、消火汚水が漏れ出た貯水槽からサンプルを採水する国と県の担当者ら。調査結果で国の暫定指針値の約1600倍にあたるPFASが検出された=6月28日、うるま市・米陸軍貯油施設

PFASを含む可能性のある汚水が漏出した米陸軍貯油施設

米軍立ち会いの下、消火汚水が漏れ出た貯水槽からサンプルを採水する国と県の担当者ら。調査結果で国の暫定指針値の約1600倍にあたるPFASが検出された=6月28日、うるま市・米陸軍貯油施設 PFASを含む可能性のある汚水が漏出した米陸軍貯油施設

 調査は日米地位協定の環境補足協定に基づき行われ、結果は3者が合同で公表する仕組み。3者は公表に向けて調整を進めているが、米軍が難色を示し、調査結果判明から少なくとも約4カ月が経過した現在も地域住民に知らされていない。

 県幹部は「異常な数値。米軍が説明した安全性の担保はなかったということだ」と指摘した。別の県幹部は、調査後約5カ月が経過した現在も公表できない現状に「互いに足並みをそろえないといけないが、早く公表した方が良い」と話した。

 調査では、県と沖縄防衛局は、汚水が漏れ出た貯水槽から採取した水を民間の調査会社にそれぞれ委託。米軍は米本国へサンプルを送り、分析した。公表していないが、県の調査結果は7月下旬に出ている。

 事故は施設内にある泡消火剤を薄める真水が入った貯水槽が大雨の影響であふれたことが原因とされる。

 米軍側の説明によると、この貯水槽には、配管から逆流した泡消火剤溶液が一部混ざり込んでいた。貯水槽のふた(マンホール)の気密を保つ部分が劣化し、大雨による雨水が流れ込んだ結果あふれたという。このため米軍は、周辺地域に与える影響についても「高濃度ではなく、安全性に問題はない」と事故直後、県に説明していた。

 一方、米軍が県や地元のうるま市に事故を連絡したのは発生から丸1日以上が経過した後だった。3者合同での立ち入り調査とサンプルの採水は、事故発生から18日後に行われた。

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