宮古島市上野野原の陸上自衛隊駐屯地の用地取得を巡る贈収賄事件で、用地売却への便宜を図った見返りに現金600万円を受け取ったとして収賄罪に問われた前宮古島市長の下地敏彦被告(75)の論告求刑公判が3日、那覇地裁(小野裕信裁判長)であり、検察側は懲役3年と追徴金600万円を求刑した。弁護側は無罪を主張しており、17日に最終弁論を行う。判決は来年2月22日。

(資料写真)那覇地裁

 検察側は論告で、当時市長だった下地被告には自衛隊施設の受け入れを判断する職務上の権限があったと強調。経営に行き詰まった千代田カントリークラブ(CC)の元代表(65)=贈賄罪で有罪確定=の陳情を受け、防衛省に対し千代田CCの土地を取得するよう働き掛けたとし、現金は謝礼と認識していたとした。

 弁護側はこれまで、受け取った現金600万円に陸自受け入れ表明の対価だったという認識は無かったなどとし、「政治資金として渡された」などと賄賂性を否定。自衛隊基地の受け入れ表明は市長の職務権限に含まれないなどと反論し、収賄罪は成立しないと主張している。

 起訴状によると、下地被告は2018年5月24日、自身の陸自配備計画の受け入れ表明によって千代田CCの所有地を国に売却できたことへの謝礼と知りながら、千代田CC元代表から都内で現金600万円を受け取ったとされる。

 陸自配備を巡っては、市長だった下地被告が16年6月に受け入れを表明。17年8月に千代田CCが国と土地売却で合意し、11月に駐屯地整備が始まった。当初、候補地は千代田CCの所有地含む2カ所だった。