J2のFC琉球は今季、開幕5連勝、8試合負けなしと球団記録の快進撃でスタートダッシュを切った。勢いは折り返しても衰えず、27節で秋田に勝ってなお3位とJ1昇格圏の2位以内を狙い続けた。しかし28~34節、9月から約1カ月半は1分け6敗と勝ち星から遠ざかり8位まで下降。樋口靖洋監督は解任に追い込まれた。最終盤は引き継いだ喜名哲裕新監督の下、3勝4分け1敗と踏ん張った。通算18勝11分け13敗の勝ち点65。失速したときの修正に課題を残しながらも、J2昇格3年目を過去最高の9位と躍進した形で終えた。今季の戦いを振り返る。(溝井洋輔)

 琉球の快進撃のきっかけは開幕にホームで行われた磐田戦だった。開始56秒。右サイドバック田中恵太のクロスをMF池田廉が合わせて先制した。元日本代表の遠藤保仁を中心にしたJ1常連の猛攻を受けたものの、キャンプから積み上げた強度の高い守備は最後まで破られなかった。

 これだけで終わらない。第2節山口戦は最初の攻撃でFW阿部拓馬が決めた。今度は48秒。開幕から2試合続けて1分以内で得点するのはJリーグ28年の歴史で初めての快挙で、チームを一気に波に乗せた。

 勝ちながら課題を修正するという理想の形が生まれると、好循環の歯車は止まらなかった。開幕連勝は球団記録の「5」まで伸び、負けなし記録も「8」に伸ばした。序盤は新潟と並んで首位争いを演じた。

失点が大幅減

 攻撃的なサッカーが売りの琉球だが、樋口靖洋前監督3年目は守備の強度に重きが置かれた。強度とは相手に簡単に振り切られないなどの粘り強さを示す。システムを変えたわけではない。守備の連動性を保ちつつ、奪っては持ち前のボール保持とパスで崩した。...