大注目の沖縄アーティストを沖縄カルチャーの広告塔 幸田悟がインタビューで深掘りする連載企画「幸田悟の沖縄音楽旅行+プラス」第12弾!! 今回は、結成30周年を迎えたディアマンテスへのスペシャル・インタビューをお届けします!!

 

ラテンとロックをベースに沖縄音楽やレゲエなど彼らが培ってきた音楽を、絶妙なバランスでチャンプルーし、独自のサウンドを生み出した沖縄ラティーナ、ディアマンテス。今年の9月で結成30周年を迎え、アニバーサリー・アルバム『paso a paso』をリリースしました。タイトルの『paso a paso』とは、スペイン語で「一歩一歩」という意味。「一歩一歩」 歩んできた30年の活動を振り返るとともに、新作アルバムに込めた思いを伺いました。ディアマンテスへのスペシャル・インタビューをお楽しみください。

──まず、アルベルトさんとトムさん、ふたりの出会い、その印象を教えてください

トム仲宗根 出会いは1990年くらいかな……。ディアマンテスを結成する以前に、宜野湾市にあったライブハウス、ヒューマンステージでハコバン(定期的に演奏をするバンド)を作るから、そこでベースを担当してみないかと誘われて、入ることに。そのバンドのボーカルがアルベルトだったんです。シーサーのループタイをしてて、ヘアスタイルもパーマで、貫禄がありました(笑)。シンガーとしては、ほんとにすごいレベルの歌い手だなと思いました。

アルベルト城間 とにかくファンキーなベースを弾く人だなと思った。見た目は、高校生かな?と思うくらい若いんだけど、バンドマンとしてのキャリアを感じました。

──トリオディアマンテス時代のころだったと思うんですが、僕はNUDEというバンドやってて、出演した学園祭で、初めてアルベルトさんの歌を聴いたんですけど、「こんなすごいボーカル、いったい沖縄のどこにいたの?」って衝撃でした!!

トム トリオディアマンテス時代も懐かしいよね。あれがなければ、ディアマンテスというバンドにはなってなかったわけだからね。いま、ディアマンテスの30周年記念でいろんな過去の動画をユーチューブにアップしているので、よかったらみてください!!

DIAMANTES 30th Anniversary Dear Mambou YouTube List

──30年を振り返って、それぞれの最高な思い出を教えてください

アルベルト 僕は最近のことですが、25周年のコンサート「TROPICALISSIMA(トロピカリシマ)」かな。オルケスタ・デ・ラ・ルス、パパイヤ鈴木とおやじダンサーズ、イクマあきら、琉神マブヤー、MONGOL800、Coccoなどたくさんの仲間たちと同じステージで歌って踊って……。会場のみんなから受けた愛情は表現出来ないくらい嬉しかったし、感謝の気持ちでいっぱいです。「出会った人たちが財産」というのは、こういうことを言うんだなと思いました。舞台でやる以外の準備、特にスポンサー探しなどは営業マン並みに動いたと思います(笑)。そのご褒美として、舞台で思いっきり楽しみました。それがお客さんにも伝わったと思います。メールなどでいつも最後に使う言葉、「これからも共にガンバッテヤンド!!」それを常に実行してます!!

──あのコンサートは、本当にすごかった。特にアルベルトさんはステージに出ずっぱりでしたよね。まさに無尽蔵のスタミナ!

アルベルト ステージ上で5時間、歌いっぱなしでした。あのタイミングだからできたのかもしれません。マラソン以上に体力を使ったと思います。みんなの笑顔、愛情が伝わってきたのでとても幸せだったし、演っているときは、疲れなんて感じませんでした。いまできるかといえば……(笑)。

トム 僕の思い出は、仕事で音楽を演奏しに世界中いろんな所に行けたこと。貴重な体験をさせていただきました。その中でもペルーは印象的。ペルーに行くことができたのも、アルベルトがメンバーだからこそ。それにしても、初めてのペルーの現場は戸惑いの連続でした。ベースアンプの電源入れると、ベースの弦がアンテナ代わりとなってラジオの電波を拾ってスピーカーから、サルサが流れてきたこともあったね(笑)。それから19時からリハーサルということで会場に行くと、ちょっと待っててくださいって待たされて、結局リハーサルができたのは、深夜3時だったり(笑)。コンドルのように雄大な時間が流れてました。何度か、行ってますが、現在はタイム・スケジュールもピッタリあわせてくれます! ペルーの名誉のために言っておきますね。

──たくさんの名曲を生み出してきたディアマンテス、オリジナル曲で最も印象に残っている楽曲は?

アルベルト 僕は、「魂をコンドルに乗せて」です。たくさんのことを学ばせて頂いた曲。1991年、ディアマンテスを結成したその年に、母国ペルーで痛ましいテロ事件が起こり、日本人ボランティアの方3人が犠牲になってしまいました。そのなかのひとりは若い沖縄の男性だったんです。その方の家族に出会ったことがキッカケで作った曲が「魂をコンドルに乗せて」です。作詞は、宮沢和史さんが作ってくれました。メッセージを伝えることの難しさを教えてくれました。この曲は、あるCMに起用されディアマンテスにとって初めてのオリコン・チャートにランクインした楽曲でもあります。

トム 「ディアマンボ」です。2枚目のアルバムに収録されている曲で、僕が作ったんですが、編曲は、アレンジャーの清水信之(EPOや大江千里、SMAPなどをアレンジ)さんが担当してくれたんです。僕の何てことのないメロディーが、アレンジによって「ここまで変わるのか」って、プロの現場のすごさを実感した曲です。