8日午前9時20分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沖で海上保安庁のゴムボートが新基地建設に反対する市民の抗議船に衝突した。市民側が撮影した動画によると、現場は進入防止用のフロート(浮具)の外側だった。
抗議船の左舷後方が長さ約1メートルにわたってひび割れ、ゴムボートも左舷前方の外装がめくれて、内部構造が飛び出した状態になった。けが人はいない。
抗議船に乗っていた市民(52)は「海保は減速せず突っ込んできた。メキメキと音がして船が壊れるのかと怖かった」と話す。別の市民も(43)も「海上保安官は『危険運転するからだ』と言ったが、真っすぐ進んだだけ。めちゃくちゃだ」と怒った。
一方、第11管区海上保安本部は本紙の取材に「抗議船は警告にもかかわらず立ち入り制限区域内に高速で進入し、制止しようとしたゴムボートと接触した」と説明。「現場海域の安全確保と法令順守の観点から適切な対処だった」とした。
11管は衝突現場がフロート内と主張したが、市民側の動画ではフロート外で衝突した後、内側に入ったことが確認できる。