2020年国勢調査で、県人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)が22・6%となった。「超高齢社会」の水準となる21%を国勢調査でも初めて超えた。

 高齢者が安心して暮らせる社会へ対応は急務だ。

 国勢調査によると県の人口は146万7480人。前回15年に比べて2・4%増加した。

 人口増は地域の活力につながる。高齢化率も全国の28・6%に比べればまだ低い。15歳未満の人口の割合は16・6%で全国最高だった。これらに目を向ければ沖縄は明るい材料が多いと言える。

 だが、国勢調査の年齢人口構成比の推移を見ると、人口構造が変化している状況が見て取れる。

 15歳未満の割合は00年の20・2%から徐々に低下しており、65歳以上は13・9%から上昇が続く。沖縄でも少子高齢化が確実に進んでいる。

 さらに国立社会保障・人口問題研究所の3年前の推計では、県人口は30年前後にピークを迎え、その後は減少に転じるとの見通しだ。

 加速する高齢化と近い将来の人口減少。重い課題に私たちは向き合わなくてはならない。

 県内では宅地化や再開発が進んだ自治体で人口が大きく伸びた一方で本島北部や小規模離島は過疎化に歯止めがかからない実態もある。二極化が顕著になっている。

 離島などで過疎化と高齢化が加速化すれば地域社会が成り立たなくなる。県や国、市町村が連携し、住民生活を圧迫する物流・移動コスト軽減や定住促進に取り組むべきだ。

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 高齢化と人口減は来年度以降の新たな沖縄振興計画でも大きなテーマとして捉える必要がある。

 県が5月に決定した振計の素案でも基本的課題として人口の動向に触れているが、具体的な施策にどう落とし込むかが問われてくる。

 振計素案を受けた県振興審議会の議論の中では、高齢者の貧困が大きな政策課題として出てくる可能性が識者から指摘された。

 県内では子どもの貧困が深刻な社会問題となっているが高齢者も困窮している人が少なくない。公的年金制度の導入が遅れたために無年金者や低年金者が多いことが影響している。

 定年後も働き続ける人がいる一方、健康上の理由などで就労が困難な人がいる。コロナ禍で職を失った人もいる。

 子ども世代も自分たちが生活するのに精いっぱいで、親を支えたくても支え切れない、というケースが見られるのが実情だ。

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 高齢者の独り暮らしも増えている。高齢者だけの世帯も含めて社会から孤立しないように目を向け続ける必要がある。

 振計素案には「誰一人取り残すことのない優しい社会の形成」を基本方向に「高齢者が生き生きと暮らせる地域づくり」などを掲げている。

 元気な高齢者には社会で力を発揮してもらい、厳しい状況にある人には適切な医療や介護、生活支援が届くような仕組みを充実させてもらいたい。