県内で初めて新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が確認された17日、感染した基地従業員が働く金武町のキャンプ・ハンセンのゲート前では米軍関係者が基地外を出歩く姿が見られた。米国から同基地に到着した隊員99人の感染も確認され、住民や基地従業員からは感染対策の徹底を求める声が上がった。
17日夜、同基地のメインゲートは車や米軍関係者が行き交った。近くにある社交街ではバーやクラブの音楽が響き、基地の外に出た米軍関係者が飲食をして盛り上がっていた。
米軍属の50代男性は「クラスターの情報は米軍関係者で共有されているが若い米兵は基地外でマスクもしない。正直コントロールできていない」と明かした。
町内の80代の男性は「感染者がこれだけ出ても、いつも通りの光景。感染者が確認された部隊だけでなく、米軍全体で隔離やマスク着用などの対策を徹底してほしい」と憤る。
ハンセンで勤務経験のある日本人従業員の一人は、オミクロン株に基地従業員が感染したことに「従業員間でも連絡を取り合っていて、かなり不安が広がっている」と動揺した様子。「どのような経緯で感染したのか明らかにし、対策をしっかり取ってほしい」と訴えた。
全駐労沖縄地区本部の平安名守書記長は「感染者が連日出ると入国する米兵への待機措置が取られていたのか疑問になる。しっかり検疫をしてほしい」と求めた。
(写図説明)大規模クラスターが確認された米軍キャンプ・ハンセンから金武町内の社交街へと向かう米軍関係者ら=17日、同町