沖縄県石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画を巡り、沖縄防衛局が予定地として2019年に取得した民有地13ヘクタールのうち、売買契約を交わした9ヘクタールの売却金額が5億~10億円に上る可能性があることが19日、分かった。市民団体が開示請求した契約書の収入印紙の金額から同団体が推測した。同じく駐屯地建設のため売買された宮古島市の民有地と比べると、1平方メートル当たりの単価は石垣市の方が割高で、大きな差があると指摘している。

陸上自衛隊駐屯地の建設予定地=2019年6月16日、石垣市平得大俣

不動産売買契約書に貼り付けられた収入印紙

陸上自衛隊駐屯地の建設予定地=2019年6月16日、石垣市平得大俣 不動産売買契約書に貼り付けられた収入印紙

 市内で会見した「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」によると、契約書の金額箇所は黒塗りされていた。同会は不開示理由について沖縄防衛局が「今後の用地取得に支障を来す」としたことを批判。「公共事業として公正な価格で用地取得を進めるなら、公にしても支障を及ぼすとは考えられない」とした。

 さらに宮古島市の「旧千代田カントリークラブ」は、約22ヘクタールが約7億9千万円で売買され、契約書は金額を含め開示されていると指摘。「石垣ではなぜ不開示なのか」と売買額を明らかにするよう求めた。

 同会は20年3月に開示請求。翌4月に単価や金額が黒塗りされた通知を受け取ったが、印紙税額から売買額が推測できることが分かった。貼付された2枚のうち1枚は10万円。もう1枚は数字が確認できないものの模様と色から6万円と判明。国の基準に照らし、印紙税額計16万円は「5億円超、10億円以下」のケースだと分かった。

 1平方メートルの単価に換算すると、宮古島の民有地は約3590円だったのに対し、石垣島の売買額が5億円だった場合は約5555円、10億円の場合は約1万1111円で、どちらも宮古島と大きな差があると指摘。また1年後の20年3月に隣接する市有地13・6ヘクタールを市が約4億1700万円で国に売却したが、同単価は約3066円で、民有地と2400円以上の開きがあるとした。

 上原秀政共同代表は「単価算定の違いは何か。根拠を示すべきだ」と強調。同民有地は配備推進派の市議が代表を務める会社が経営していたゴルフ場で「土地取得費は税金で賄われており問題だ」と訴えた。