[ひろがる明日SDGs]
オリオンビールと琉球大学は21日、陸上養殖で育てたヤイトハタ(アーラミーバイ)のレシピお披露目会を那覇市内のホテルで開いた。循環型社会の実現を目指すプロジェクトの一環。オリオンビールの製造過程で生じ、従来は廃棄していた「麦芽かす」を発酵させた餌を与え、育てた。試食した関係者らは「臭みが少なく、さっぱりしている」と感想も上々。「琉大ミーバイ」と名付けて商標登録を申請中で、今後ブランド化して売り出したい考えだ。
来年4月から、ホテルオリオンモトブリゾート&スパ(本部町)でアクアパッツアや天ぷらなどの提供を始める。
琉大ミーバイは2019年から、琉大理学部の竹村明洋教授が中心となって中城村養殖技術研究センターで養殖している。オリオンと琉大が20年12月、産学連携に関する協定を結び、ビールかすを餌に使うことが決まった。
今年9月ごろから、同ホテルのシェフらがレシピ開発を始め、アクアパッツアや天ぷら、磯辺巻きなど4品を完成させた。料理に合うオリオンのアルコール商品を紹介しながら提供するという。
養殖魚の餌となる魚粉は現在、価格が高騰している。一部を麦芽かすで代用することで、餌代を削減できているという。オリオンにとっては、ごみとして捨てていたビールかすの有効活用につながる。
オリオンの吹田龍平太副社長は「ビールかすの有効活用で、循環型社会の実現につながる」と期待した。竹村教授は「琉大ミーバイの付加価値を高めるため、商標登録も申請している。ビールかすだけではなく、シークヮーサーの搾りかすを餌に使い、商品化できるよう実験中だ」と話した。