Q 毎日のように残業していますが、残業代が支払われたことがありません。

A 残業代未払いで送検も

新里隆さん

 労働基準法では労働時間の上限が1日8時間、1週40時間と定められています。例外的に従業員が10人に満たない個人商店などの「商業」、診療所・クリニックなど「保健衛生業」、飲食店などの「接客娯楽業」は上限が1週44時間となっています。この時間を超えて働かせる場合には、あらかじめ事業主と従業員代表者の間で労使協定(三六協定)を結んで、労働基準監督署に届け出なければなりません。労使協定を結んで延長できる労働時間にも1カ月45時間、1年間で360時間など限度があります。

 時間外や休日、深夜に働かせる場合には、事業主は割増賃金を支払わなければなりません。割増率は時間外・深夜労働で2割5分以上、休日3割5分以上。例えば時給千円であれば、1時間当たり1250円以上、休日であれば1350円以上の残業代を支払う必要があります。

 違法な長時間労働には是正勧告書、指導票などの書類を交付するほか、悪質と判断された場合には、労働基準監督官による逮捕・送検がなされるケースもあります。労基法違反には懲役刑や罰金刑などの刑事罰が規定されています。

 トラブルの事例では事業主側の言い分として「命じていないのに、従業員が勝手に残って仕事をした」「時間外におしゃべりをしていて、残業とは認められない」「新人で業務を十分にこなせないから、残業があっても仕方がない」などがあります。労基署としてはタイムカードの勤務時間と残業代に乖離(かいり)があれば、原則不払い分を支払うよう指示します。事業主側には従業員の業務量と勤務時間の管理をしっかりとし、残業が必要なら申請させる仕組みを整えることを指導しています。

 受け取った残業代が、申請した時間分より削られて支払われているという事例もありますが、この場合も事業主側には賃金不払いの罰則が科される場合があります。(新里隆さん 那覇労働基準監督署副署長)