沖縄県高齢者福祉介護課は25日までに、2020年度に県内で報告があった高齢者虐待は223件で、18、19年度の205件を上回り過去最多となったと発表した。このうち家族や親族ら養護者による虐待が216件を占め、虐待された人は224人。要介護認定未申請者は99人(44・2%)、虐待した人との2人暮らしは117件(52・2%)に上り、介護サービスが届いていない家庭という「密室」に、虐待が潜んでいる実態がうかがえた。

県内高齢者虐待の推移

被虐待者からみた虐待者の続柄

県内高齢者虐待の推移 被虐待者からみた虐待者の続柄

 被虐待者の性別は、女性が7割を超え圧倒的に多い。虐待者の続柄(複数回答)は「息子」が106件(46・1%)で最多となり「夫」50件(21・7%)、「娘」39件(17%)の順。虐待の種類(複数回答)は、たたいたり体を拘束したりする「身体的虐待」が136件(60・7%)で一番多く、暴言や嫌がらせなど「心理的虐待」が132件(58・9%)だった。

 要介護認定を受けた被虐待者107人中、認知症と判定された人は71人(66・4%)。市町村別では那覇市が90件で最も多く、次いで沖縄市32件。増加が目立ったのは宮古島市で、前年より12件多い21件だった。

 一方、介護施設の職員らによる虐待の報告は7件で「特別養護老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」などで2件ずつ、認知症グループホームで1件あった。

 被虐待者は10人で、うち生活全般で介助が必要な要介護度4以上の人が計8人。抵抗が難しい、より弱い立場の高齢者に暴力が向かっている状況が浮かんだ。