社説

社説[コロナ再拡大]年末年始 気を緩めるな

2021年12月28日 07:01

 「県内は流行の立ち上がり期にあると思われる。ここでしっかりと耐えられるかが、県民が年末年始を穏やかに過ごせるかどうかの分かれ目となる」

 玉城デニー知事は記者会見で県内の感染状況を説明した後、こう危機感を示した。

 県内では現在、米軍基地で働く日本人従業員らに新たな変異株「オミクロン株」の感染が相次ぎ、その家族らへと広がりを見せている。

 基地とは関わりのない人にもオミクロン株感染が疑われる事例も出た。感染力の強さが指摘されるオミクロン株の市中感染が県内でも起きている可能性がある。

 それとは別に、本部町を中心に本島北部で感染が急拡大している。高齢者施設では入所者と職員で30人を超える集団感染が発生した。

 10万人当たりの新規感染者数は全国平均の6倍超。先週1週間の新規感染者数は、前の週の4倍超に上る。

 知事のメッセージはこうした現状を踏まえ、年末年始に帰省や旅行などで人の移動や交流が活発になることを警戒したものだ。

 県医師会も会見し、3密の回避や帰省前のPCR検査などを呼び掛けた。

 気の緩みで感染拡大につながることは何としても避けなければならない。私たちも危機感を持つ必要がある。

 無料で受けられるようになったPCR検査を積極的に活用するとともに、換気や小まめな手洗い、マスク着用など基本的な対策を改めて徹底したい。

■    ■

 不安を感じるのは本島北部ではコロナ病床がほぼ満床になっていることだ。

 県の専門家会議は「このままでは医療が破綻する」として、感染者の自宅療養を認めざるを得ないとの認識で一致した。

 夏場の流行「第5波」では医療提供体制が逼(ひっ)迫(ぱく)し、ピーク時には酸素投与が必要な中等症でも自宅療養を求められる人が出た。

 増床の必要性があれほど強く指摘されていたのに足りていない、ということなのか。

 県はこのペースで感染拡大が進めば3週間後には最大で800人超の病床が必要になる可能性があるとの予測を示している。

 現在はまだ感染者が増えている地域はある程度限られているが今後一気に広がる懸念が拭えない。

 県は「第6波」に備え、コロナ病床をこれまでの1・2倍となる最大1031床確保する対策を決めている。その準備を加速させる時だ。

■    ■

 米軍基地で働く日本人従業員らの感染が広がる発端になったとみられるキャンプ・ハンセンの集団感染は260人に増え、収束する様子がうかがえない。

 県は米兵の基地外への外出禁止などを求めているが、クリスマスに北谷や那覇の街に繰り出す米兵もいるなど緊張感が欠けている。

 全国知事会がまとめた政府への提言でも在日米軍基地での感染防止策徹底や自治体への迅速な情報提供を求めている。「水際対策の穴」は沖縄だけの問題ではない。

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