米軍嘉手納基地の従業員からも28日、初めてオミクロン株の感染者が確認された。在沖米軍基地ではキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブに続いて3カ所目。米軍は検疫や感染対策の強化を打ち出しているが、既に「基地から基地へ」感染の連鎖が現実になりつつある。
感染者は、豊見城市在住で嘉手納基地に勤務する40代女性。21日に発症して医療機関を受診し、23日にコロナ感染が判明。オミクロン株の疑いがあるとして、県衛生環境研究所が詳しく調べていた。
女性の職場では、別の1人もオミクロン株疑いでゲノム解析中だ。ハンセンやシュワブと距離が離れた嘉手納基地でも、感染が広がっている恐れが出てきた。
これまで基地従業員やその家族は、ハンセンで9人、シュワブで1人の感染者が見つかっていた。
ハンセン以外の基地にも波及した要因とみられているのは、入国した米兵の行動制限が緩かったことだ。基地内で感染拡大する中で基地間の移動が可能で、ワクチンを接種していれば隔離期間も短く、マスク着用は求められていなかったとされる。
県によると、新たに入国した米兵かどうかは不明だが、ハンセンなどから米兵が部隊のバスでキャンプ・フォスターに移動し、タクシーで北谷町や那覇市に向かったことも数日前に確認されている。
県はハンセン従業員のオミクロン株感染が判明後、基地従業員を対象に集中的なPCR検査を実施した。沖縄市と豊見城市には接触者向けのPCR検査センターが常設されており、嘉手納基地の従業員らにも活用を呼び掛ける方針だ。