ボランティア団体「ゆいまーるの会」(嘉手苅直美代表)は28日、沖縄県那覇市の牧志公園で約60人分の食料を無料配布した。大学生や在沖外国人支援団体「ヘルプ・オキ」のメンバーも駆け付けて協力。週2回、コロナ禍で収入が減ったり、身寄りがなく食料や衣類などが確保できない人々を支援する嘉手苅代表は「困っている人は増える一方で、支援に関わる若い人もいる」と話し、年の瀬の窮状を訴える。(社会部・城間陽介)

配布する食料を並べる琉球大の翁長梨乃さん(左)と新里恵利香さん(中央)=28日、那覇市・牧志公園

 男女別に支援しており、火曜日は女性が対象の日。公園に集められたレトルト食品、缶詰類、衣類などは市の助成金を使って購入した。支援者からの差し入れも多く、この日も軽トラックで追加支援があった。

 支援活動には琉球大2年社会福祉コースの翁長梨乃さん(20)、崎原優維さん(19)、新里恵利香さん(20)、沖縄国際大3年の城間颯太さん(21)も参加した。

 ゆいまーるの会の食料支援は新型コロナウイルスが流行した昨年に始まり、現在週に約150人分を用意している。

 嘉手苅代表は「当初は20~30人だったのがどんどん増えだした。困窮者のほか孤立したお年寄りもおしゃべりを楽しみに来ている」と話す。

 同団体は次は男性を対象に31日9時半から、同公園で配布を予定する。またこれとは別に、NPO法人ファミリーサポート「愛さん会」は31日正午~午後3時、市新都心公園で炊き出しを実施する。

70代女性「今着ている服が全部。寒くて寝られない」

 食料配布に並んだ同市の70代女性は1人暮らしの無職。つえを突いて歩く。昨年、交通事故で清掃の仕事を失い、同時に住んでいたアパートが上の階の住民の失火で焼損し、住居もなくした。「火事が原因で家にあった衣類が全部なくなったから今着ている服が全部。寒くて寝られない」と薄手の長袖を重ね着する。

 仕事はコロナ禍で週3回、1日2時間に減らされ、そのさなかに交通事故に巻き込まれ入院した。入院中にアパートで火災があったという。災難が続いた。現在は知り合いが空き部屋を貸してくれている。

 「仕事していた頃は毎月6万円程度稼ぎ、わずかな年金も足しにして暮らせていた」という綱渡りの生活を続けていた女性は、事故と火災で衣食住を確保できなくなった。身寄りもない。生活保護を役所で申請するが「親戚が面倒を見ることができないかなど、いろいろ確認があってなかなか通らない」と嘆いた。

 支援を求める人々を一見しただけでは、それぞれが抱える事情が見えない。支援ボランティアのメンバーは把握できない生活困窮者がまだ多いとみている。