プロ野球界で、沖縄県出身選手の活躍が目覚ましい。昨季、パ・リーグ新人王にプロ2年目のオリックスの宮城大弥投手(20)=興南高出=が輝いた。2020年の平良海馬投手(22)=八重山商工高出、西武=に続き、2年連続で県出身選手が新人王を獲得している。

5年連続 県勢が個人タイトルやベストナインに

17年に東浜巨投手(31)=沖縄尚学高-亜細亜大出、ソフトバンク=がパ最多勝となってから、5年連続で沖縄で生まれ育った選手が個人タイトルやベストナイン賞を受賞した。

 昨季12球団に所属した県出身選手は25人で、出身地別では全国で10番目に多い。沖縄から初めてプロ野球選手が誕生して60年余り。21年は宮城の新人王のほか、平良も39試合連続無失点のプロ野球新記録樹立の快挙を達成した。日本最高峰の舞台で、県出身選手の存在感が増している。

県出身プロ野球選手 表彰者一覧

 宮城は高卒2年目の21年に13勝を挙げ、防御率2・51の好成績をマーク。チーム25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。目標にしていた新人王受賞に、チームメートの支えに感謝しながら、「2年連続で沖縄の人が受賞でき、僕もうれしい」と喜びを口にした。

 プロ野球界で戦う“うちなーアスリート”の活躍から、今年も目が離せない。

20歳の進化 オリックスの25年ぶりリーグVに貢献

 高卒2年目ながら、マウンド上での落ち着きはまるでベテラン選手のよう。ユニホームを脱ぐと、20歳の若者らしいおちゃめな性格で周囲を和ませ、誰からも愛される。オリックスの宮城大弥(興南高出)はまさにそんな選手だ。プロ2年目の2021年、チーム四半世紀ぶりのパ・リーグ優勝に貢献し、新人王の栄冠をつかみ取った。

パ・リーグ新人王に輝き、ガッツポーズで記念撮影する宮城大弥=2021年12月15日、東京都内(代表撮影)

 勝利数、防御率ともに同僚のエース山本由伸に次いでリーグ2位。加えて新人王受賞と、プロ2年目をトップクラスの成績で終えたが、自己評価は冷静だった。開幕2戦目で西武の山川穂高(中部商高出)を三振に仕留めたカーブなど、「自信のつく球が試合を重ねていくごとに増えた」ものの、「いい評価も、悪いところも出たシーズンだった」と語る。思うように勝ち星が付かなかった後半戦を振り返ってのことだ。

 前半戦を9勝1敗としたが、8月下旬からは1カ月以上も勝利が遠のいた。ネガティブ思考が巡り「今までになかった考え方が出てきた。無駄な時間を過ごしてしまった」と言う。

落とせない一戦 重圧の中で好投「楽しめた」

 周囲から「前向きに」と声を掛けられ、その後不調を脱したものの、当時チームは優勝争いの真っただ中。一番にチームの勝利を優先するだけに、「2~3勝は勝てる試合があったのにつぶしてしまった」と悔しさは今も残っている。

宮城大弥 2021年試合別成績

 それでも「1年間、先発ローテーションで投げ切る」との目標を達成できたことは自信につながった。疲労を考慮して一時的に登録を外れたこともあったが、けがもなく1軍に帯同し、「褒めるとしたら、1年間投げ切れたこと。いろんな人のアドバイスがあったおかげ」と感謝する。

 13勝目を挙げた10月21日の西武戦は、25年ぶりのリーグ制覇へ絶対に落とせない一戦だった。ヤクルトとの日本シリーズでは第2戦に先発。八回に1失点して黒星を喫したものの、六回途中まで1人の出塁も許さなかった。ともに重圧が掛かる中での登板だったが、「緊張しながらも、楽しめた感覚の方があった」。

 沖縄の野球少年少女に送るアドバイスも同じだ。「野球を楽しんでくれたら、それだけで十分です」。良い時も悪い時も、野球を始めたころの“原点”に立ち返る。21年シーズン、大きな躍進を遂げた一番の理由はそこにあった。(運動部・我喜屋あかね)

 宮城大弥(みやぎ・ひろや) 興南高から2019年ドラフト1位でオリックス入団。プロ1年目の20年に初勝利を挙げ、21年は先発ローテーションの一角を担った。嘉数中3年時にU15、興南高3年時にU18日本代表。興南高1、2年の夏に甲子園に出場。171センチ、80キロ。左投げ左打ち。20歳。宜野湾市出身。好きな言葉は「一生百錬」。