「どうして小野寺(おのでら)さんは刑務所に入りたいと思ったんですか?」  法廷で男性の弁護人が証言台の前に座る小野寺圭一(けいいち)に向かって問いかけた。  明香里(あかり)は検察官席から押し黙っている小野寺の横顔をじっと見つめた。 「普通、好き好んで刑務所に入りたいとは思わないでしょう。