沖縄県出身・在住の漫画家、宮城みちさん(30)が、少年とその母親の“元カノ(元彼女)”3人との共同生活を、沖縄を舞台に温かく描くコミック「母の元カノと暮らした。」第1巻が昨年末に講談社から発刊された。「家族の新しいカタチを、当たり前の日常として描きたい。単行本になって、沖縄の人たちにも読んでもらえるのがうれしい」と話している。(学芸部・真栄里泰球)

漫画「母の元カノと暮らした。」

宮城みちさん。お面のイラストは登場人物の一人「ゆう」=那覇市内

漫画「母の元カノと暮らした。」 宮城みちさん。お面のイラストは登場人物の一人「ゆう」=那覇市内

 東京に住む中学生の少年「ゆう」の母親が死去し父親は蒸発。天涯孤独となったゆうは母親の元カノ3人が暮らす沖縄の家に引き取られ、共同生活が始まった、というストーリー。「月刊モーニングtwo」に2021年8月号から連載されている。

 18年に漫画家デビューした宮城さんは、女性同士の恋愛や連帯感を描いた作品が得意だという。30歳を前に、結婚する友人などが増えた。「新しく家族や家庭をつくることに関心が高まった時に、破天荒で魅力的な生き方のレズビアンの女性に出会った」と振り返る。彼女をゆうの母親のモデルにして、物語を紡いだ。

 「いろんなセクシャリティーの人が生活している。ご飯を食べたり、海へ遊びに行ったり、人それぞれの当たり前の日常を、親しみやすく描けたらいい。恋愛だけでないレズビアンの漫画は少ないので描いていて楽しい」

 幼い頃から漫画家になりたかったという宮城さんは東京で大学生活と就職を経験した。「沖縄ではないどこかに行きたかったけれど戻ってきた。だから、沖縄を描くことで社会を見たい。それが自分と向き合うことになる」と思いを語る。

 「母の元カノ」は性的少数者の女性たちの物語であると同時に、突然家庭を失った少年にもスポットが当たる。沖縄の子どもたちを取り巻く困難な状況に心を痛める宮城さんは「周りの大人が責任を持てば、子どもはすくすくと育っていく」と信じる。「漫画を通して、人の生活や優しさ、温かさを伝えたい」と抱負を語った。