新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

坂口泰司 もとぶ牧場社長

 -2021年を振り返って。

 海外・国内からの観光客の来店が多い直営レストラン焼肉もとぶ牧場は、長引く緊急事態宣言により大きな影響を受け、名護店と国際通り店は休業し、もとぶ店と那覇店の2店舗に営業を集約する運びとなりました。

 一方、フードデリバリーサービスの定着を受け、焼肉弁当などの販売を始めたところ、大変ご好評いただき、その認知度が高まってきました。宣言の解除後は、久しぶりの焼き肉を楽しみに足を運んでくださるお客さまに加え、近隣企業の持ち帰り弁当や会議用弁当の需要が増え、徐々に売り上げが回復してきました。

 また、外食産業全体が非常に厳しい状況におかれ、弊社の牛肉出荷量も約10%減となりました。しかし、伊藤ハムとの販売業務提携もあり、全国の大手量販店や飲食店、海外などへの出荷分が確保されていたため、リスクを最小限に抑えることができました。

 そんな中、昨年12月にJAおきなわから約300頭収容規模の今帰仁肥育センターの経営を引き継ぎ、おきなわ和牛の生産にも着手しました。

 -22年の重点施策について。

 現在、沖縄本島内にハサップ(衛生管理の国際的な手法)認証施設がないため、輸出向けは鹿児島の施設で処理し、ブロック肉の形態で沖縄へ戻し、改めて海外へ発送するという状況が続いています。一日も早く沖縄本島内の食肉センターにハサップを導入していただければ那覇空港から牛肉を海外へ直接発送できるようになります。沖縄県の畜産業の未来のために、輸出量を増やせる仕組み作りへの働きかけに力を注いでまいりたいと思います。

 また、弊社焼肉店は従来、もとぶ店の約5割、那覇店の約4割が、中国、韓国、台湾などからのお客さまでしたので、インバウンドの回復が待ち望まれます。国内の観光客数は徐々に伸びてきており、インバウンドにも回復の兆しが見え次第、名護店と国際通り店はすぐに再開できるよう、準備を整えております。

 そして、弊社では、牛の飼料にオリオンビールのビール粕(かす)を活用したり、伊是名島のサトウキビ栽培や今帰仁村のスイカ栽培など県内の農家さんに弊社の堆肥を活用いただくなど、地域と環境に配慮した循環型農業を実施しており、今後も引き続きSDGsについても積極的に取り組んでまいります。

 -社会貢献活動については。

 子ども食堂への弁当の提供、本部町の学校給食へのもとぶ牛ハンバーグの提供をはじめ、琉球ゴールデンキングスはオフィシャルパートナー、FC琉球はクラブパートナーとしての支援も、継続してまいりたいと思います。

 -新年の抱負を。

 沖縄が誇る美味な食材の一つとして、もとぶ牛の周知をさらに図ってまいります。また、高齢化と後継者不足を背景に畜産農家の減少が進んでいますが、弊社は離島の牛農家の担い手となる若い世代の育成などを通じ、今年も沖縄の和牛振興に尽力します。

 さかぐち・たいじ 1955年生まれ、鳥取市出身。大阪工業大学卒。89年9月、もとぶ牧場を創業、現在に至る。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:為せば成る
  2. いま夢中になっていること:NAHAマラソンを目標にジョギングを再開
  3. 休日の過ごし方:沖縄彩発見ドライブ