新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)のピーター・グルース学長

 -2021年を振り返って。   

 新型コロナで、政治、経済、社会を含むすべてが一変しました。しかし、何より重要なのは、皆が科学技術の力とその可能性を実感したことです。世界中の科学者たちが、ウイルスを封じ込め、病気を治療するために、たゆまぬ努力を重ね、超速で対応しました。

 OISTの研究者や学生も迅速に対応し、ウイルスやその感染経路、ワクチンの有効性などを研究し、コロナ禍に立ち向かってきました。医学界、科学界との協力を継続しながら、教育や啓発、沖縄県内での5万件を超えるPCR検査など、地域社会の一員として、精力的に活動しました。私は、OISTで働く皆が、沖縄の皆さまと共にこの嵐を乗り切ってきたこと、これまでに行った貢献を誇りに思います。

 昨年11月にOISTは設立10周年を迎えました。10年前、一握りの研究者から始まったOISTも、今では80名以上の教員と400名以上の研究員を擁し、沖縄や世界各国から集まった総勢約1千名の職員が働いています。今年は、この記念すべき年を祝して、キャンパスを再び開放したいと考えています。

 -2022年に注力したいことは。

 もちろん、これからも最高水準の科学技術を生み出していきます。昨年からはSDGsへの積極的な取り組みを推進しています。第一線の大学院大学として、SDGsを全面的に取り入れたいと考えています。皆さまに私たちの研究、教育、イノベーションにおける活動を知って頂き、SDGsに関連する問題に共に取り組むべく、対話に参加していただきたい。美しい自然と人々の強い絆を持つ沖縄は、私たちのウェルビーイング、つまり幸福や健康のためにSDGsを推進する最適な場所だと信じています。

 -2022年の目標は。     

 次世代のリーダー育成のために世界最高水準の研究と教育に引き続き注力する一方で、今年は、OIST周辺にイノベーション・エコシステムを構築するため、沖縄の皆さまと連携しながら具体的な取り組みを行いたいと考えています。産業・ビジネス界の皆さまとの交流を深めながら、さらなる大学発テクノロジーの開発を進めます。

 スタートアップ支援のための5億円の資金を既に確保しており、約50億円のベンチャーキャピタルが見込まれています。OISTの研究と国際的ネットワークを基盤とした新産業の拠点として、沖縄の経済発展を後押ししていきたいと考えています。

 今年は、コロナの状況が許す限り、公開講座、講演会、イベントを通じて、一人でも多くの方をキャンパスにお招きしたいと思います。

 また、科学、教育、イノベーションを通じて多くの沖縄の方々と交流できることを願っています。最後に、今年一年が、地元沖縄の皆さまにとって幸多き年でありますようにお祈りします。

 ピーター・グルース 1949年生まれ、ドイツ出身。分子生物学者。マックス・プランク学術振興協会会長を12年務める。ドイツ連邦共和国功労勲章をはじめとする数々の賞を受賞。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:千里の道も一歩から
  2. いま夢中になっていること:健康寿命延伸に関わる研究の推進
  3. 休日の過ごし方:スキューバダイビング