新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

沖縄県農業協同組合の普天間朝重理事長

 -2021年を振り返って。   

 昨年は緊急事態宣言の発令で、予定していたイベントなどが中止、または延期になるなど、新型コロナウイルス感染症に翻弄された1年でした。JAグループにおいても、主催行事で人数を制限するなどの感染症対策を講じつつ、事業運営に取り組んで参りました。昨年、私が一番楽しみにしていた東京オリンピック・パラリンピックは、異例の無観客開催となる中、県出身アスリートが金メダルを獲得するなど、県民に多くの感動を与えた印象に残る大会であったと思います。経営面では、マイナス金利の影響で信用事業の収益性が悪化し、ますます経営が厳しくなる中、早期の経営改善に向けて店舗再編に踏み切りました。組合員の皆さまには大変ご不便をおかけし、お叱りを受けることもございますが、将来を見通した経営基盤の確立・強化を最優先にし、組合員の声を事業に反映できるよう着実に実行してまいります。

 -農業振興について。      

 農業産出額1千億円突破に向けては生産拡大が必須です。まずは基幹作物であるさとうきびの増産です。耕作放棄地の再生と土づくりによる単位当たり収量のアップがカギを握ります。

 一方で、黒糖の在庫問題が課題です。販売強化を図ろうと、昨年10月にマーケティング戦略室を新設しました。増産を喜べる体制作りに注力します。園芸作物や畜産においてはハウスや畜舎などの施設整備が重要です。増産を前提に、園芸作物は大量の農産物を処理するため機械化や、差別化・ブランド化の推進も必要です。3月末に期限を迎える沖縄振興特別措置法の、22年度以降の沖縄振興に向けた新たな計画の動きもあります。離島県の沖縄にとって流通不利性は大きな問題です。諸課題解決に向けた取り組みや方針が盛り込まれるよう、JAとして議論に参画しつつ、実現に向けてあらゆる機会を通じて要請を行っていきます。

 -22年の抱負をお聞かせください。

 新型コロナウイルスの影響により、従来の生活様式から新常態(ニューノーマル)への移行がすでに始まっています。組合員や利用者をはじめとする幅広い年齢層で新たな価値観が生まれ、当組合のサービスや商品もその価値観に合わせた事業の展開が求められます。また、過去7年間実施してまいりましたJA自己改革については将来にわたっても不断の取り組みが必要であることから、今後とも組合員との対話を通じて「不断の自己改革」を実践してまいります。

 22年度はJAおきなわ創設から20年の節目を迎えます。また、当JAの新たな中期3カ年計画も始まります。協同組合とはお互いを助け合う組織のことです。組合員をはじめ多くの関係者が新型コロナの影響を受け、大変な時期を過ごされたと思います。本年はJAの目的を再確認し、皆様と対話する機会を増やすなど「原点回帰」の1年にしていきます。これからも勇気と希望をもって一歩踏み出し、自己改革を推し進めてまいります。

 ふてんま・ともしげ 1957年生まれ。宇都宮大学大学院農学研究科修了。81年県信用農業協同組合連合会入会。2013年県農業協同組合代表理事専務。19年6月から現職。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:人事を尽くして天命を待つ
  2. いま夢中になっていること:ソフトテニスをすること
  3. 休日の過ごし方:読書など