新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

かりゆし 玉城智司社長

 -2021年を振り返って。

 昨年も新型コロナウイルスの感染拡大の影響が色濃く、沖縄の基幹産業の観光業のダメージは計り知れません。弊社も、19年には75~85%で推移していた客室稼働率が、20、21年は好調時でも30%台と、苦しい経営を強いられました。しかし、厳しい状況だったからこそ、冷静に周囲を見渡し、新たな経営基盤を模索する機会になったと捉えています。その中で「集中と選択」をテーマに掲げ、グループ本社を恩納村の自社ホテル内に移転。経費削減の側面だけでなく、恩納村に機能を集約することで、ホテル経営に必要な瞬間的な経営判断がスムーズになりました。また、4月には那覇市内の自社所有ホテルの不動産を譲渡し、運営は引き続き自社が行い、資金調達によって、経営の安定化を図る「持たざる経営」という発想の転換もできました。

 -沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハの閉館について。

 21年の最も忘れられないニュースは、沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハが26年7カ月の歴史に幕を閉じたことです。観光客だけでなく、多くの県民にも愛されたホテルでした。婚礼も5400組が結婚式・披露宴を挙げ、参列者も含めると約14万人が利用してくれました。レストランも最後の月には約1万5千人のお客さまが訪れました。宿泊や婚礼、イベントなどホテルの可能性を引き出し、培ってきたノウハウや思いはしっかりとくみとり、次世代のグループ運営に生かしていきます。

 -22年は創業60周年を迎えます。 

 1962年10月に創業し、多くのお客さまに支えられ、60周年を迎えることに感謝します。創業以来、お客さまを温かく迎える「迎恩の心」を大切にしてきました。これは今後も変わることのない弊社の信念です。

 ただ、観光業にとって受難な時代に60周年を迎えます。地元で生まれ、地元に育てられた企業として厳しい競争環境を勝ち取り未来に向けての挑戦として、事業の多角化を目指す「第二の創業」と「ホテルからの脱却」をテーマに掲げました。観光人材を育む「かりゆしアカデミー」の創設や、ホテル運営のノウハウを生かし、自社や他社のホテルも運営する「フランチャイズシステム」の構築、地元の食材を生かした食品や水産加工などの各種製造に取り組む「マニュファクチャリング」など、5テーマを新たな経営の柱に据え、ホテル事業を含めた、それぞれの分野を補う仕組みを目指します。

 今年は復帰50年の節目。観光業は、地域の人たちから愛されなければ光りません。地元の人たちが気軽に立ち寄れるホテルを常に意識し、周辺のホテルとも連携をとりながら観光地形成の一端を担いたいと考えています。

 沖縄も、弊社も節目の年だからこそ、自然や歴史、文化など魅力あふれるポテンシャルを見つめ直す「原点回帰」が必要ではないでしょうか。そこに、未来の沖縄観光を切り開くヒントがあるかもしれません。

 たましろ・ともじ 1964年、名護市出身。87年、ホテルなは(現かりゆし)入社。沖縄スパリゾート・エグゼスの総支配人などを経て、2009年に常務、20年4月から現職。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:いにしえに学び、今を制す
  2. いま夢中になっていること:バイクで県内をツーリング
  3. 休日の過ごし方:ツーリングをしながら、県内各地の隠れた魅力を探し出すこと