新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

KPG HOTEL&RESORT 田中正男社長

 -2021年を振り返って。

 引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、業績は振るいませんでした。20、21年の客室稼働率は、カフーリゾートフチャクコンド・ホテル(恩納村)で平均40%台と低迷。特に21年はデルタ株の流行や、緊急事態宣言が長期化したこともあり、これまでにない厳しい経営を迫られました。

 長年、ホテル業に携わる中で、ここまでの世界的大流行は経験になく、対処のしようがありません。しかし、厳しい状況下ながら、国や県の支援もあり、多くの従業員が残ってくれたことに心から感謝しています。

 ただ、コロナ禍はマイナスの側面だけでなく、企業経営を足元から見つめ直すきっかけにもなりました。コストの見直しや、1人で複数の業務を受け持つマルチタスク化の推進、地元客の集客強化につなげるマイクロツーリズムの導入など、新たな取り組みを模索しました。ムリ・ムダ・ムラを削減しつつ、質の高いサービスにつなげ、筋肉質な経営を目指します。

 -22年の展望は。

 グループ全体のテーマは「チャレンジャー」。コロナ禍で失われた2年を取り戻すきっかけの年と位置付けています。昨秋には、恩納村に日本を代表する編曲・作曲家の中村正人氏のスタジオをヴィラとして運営。沖縄では初の取り組みですが、好評を博しています。

 22年4月には恩納村に「水」をテーマにした「アクアセンス ホテル&リゾート」が完成します。眺望も良く、非日常のリゾート体験を満喫できる施設を目指しています。同ホテルの完成をきっかけに1千室構想も大詰めを迎えます。常に考えていることは、県都那覇市にホテルを建設すること。まだ模索の段階ですが、沖縄観光の玄関口にホテルを構えることは大きな夢です。

 「人財」登用にも注力します。新ホテルでは知的・身体障がいを抱える人たちを採用し、彼らを中心にハウスキーピング業務を受け持ちます。また、育児をしながら家計を支えたい若年妊産婦も積極採用し、会社全体で支援する考えもあります。社会的に弱い立場の人たちを支援することも企業の重要な役目であり、弊社が沖縄観光業界のフロンティアでありたいです。

 -平和産業を見つめ直す1年にしたい。

 沖縄は今年、復帰50年を迎えます。観光業は平和なくして成り立ちません。弊社としては、社員向けに平和学習を実施する予定です。全国各地から社員が集まる弊社にとって、観光業が平和産業であることを再認識し、地域の歴史・文化を学ぶことも、重要なテーマではないでしょうか。

 一方で、県や沖縄観光コンベンションビューローは復帰50年に関わる観光施策を検討してほしいと願います。例えば、延泊し、平和学習に取り組む旅行客の費用を補助する制度があってもいい。戦争を経験したことのない世代が大多数を占める中、「観光=平和」というテーマで学ぶ機会をつくってほしいと願います。

 たなか・まさお 大阪府出身。法政大卒。84年にヒルトン入社。日本、台湾、シンガポールのホテルで要職を歴任後、ロシア、フィジーで総支配人職を経て、2015年4月から現職。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め
  2. いま夢中になっていること:家族とドライブ
  3. 休日の過ごし方:ゴルフ