新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

田中亮一郎氏 第一交通産業社長

 -2021年を振り返って。

 2020年から続いている新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人々の動きは変わってしまいました。タクシーでいえば、利用が夜から昼にシフトしています。観光需要はほぼない状況で、大企業を中心にテレワークが浸透し、路線バスの乗客も減りました。一方、市町村のお手伝いをする「おでかけ交通」は270路線に増え、タクシー事業を展開する34都道府県でのサービス内容も、見守りや子どもサポート、買い物代行、墓参りサポートなどに広がってきました。コロナ患者や医療従事者の送迎も手掛けており、地域と密接につながることで、新たな展開が生まれています。

 緊急事態宣言が明け、時短営業もなくなる中で、10月から採算も改善しています。コロナ下でも人件費以外のコストダウンにも取り組み、利益を確保できる経営体制を整えました。燃料高の厳しい状況ですが、タクシーと不動産の両事業が堅調で21年度決算はグループ全体で黒字の見通しです。

 -コロナ下で注力したことは。

 感染の波による人流の抑制と回復は、繰り返すということが経験で分かりました。コロナが収まり、経済が回復した場合、タクシーだけでなく幅広い業種で人手が足りなくなるのは明らかです。当社は昨年2月から「雇用創出プラン2021」を掲げ、1年間で2千人の人員確保に取り組み、順調に採用を続けています。

 次世代移動サービス「MaaS(マース)」はコロナの影響で、外国人観光客向けのサービスから、高齢化や人口減少に悩む地域交通の利便性向上へと目的が本質に近づいてきました。試行錯誤を続けながら、10年かけて積み上げてきた実績とノウハウを生かしたいと考えています。航空会社とも連携してさらなるサービス拡充を目指します。

 ミャンマーとインドではコロナで現地の公共交通が乱れる中、日本法人向けのハイヤーがフル稼働しています。ミャンマーでは日本語学校、インドでは整備工場を運営し、人材育成に取り組んでいます。コロナが収まれば、海外からも人材が確保できるように備えています。

 -新年の抱負を。        

 第6波の懸念もありますが、ワクチン接種や水際対策がうまくいけば、Go Toキャンペーンも再開し、新たな生活パターンが確立してくるはずです。地域に密着した展開で、新たな需要に対応していきたいと考えています。脱炭素の世界的な動きと燃料費上昇を受け、電気自動車の導入も進めます。沖縄ではバス2台とタクシー数台を取り入れ、最適な運行を模索していきます。

 観光が主力産業の沖縄はコロナで大きな打撃を受けています。コロナ前は観光客の増加で人手不足などの経営課題を経験しながら、サービス向上に努めてきました。コロナ前と後のノウハウを生かせば、観光地としてさらに発展すると期待し、前を向き、最大限の努力をする所存です。

 たなか・りょういちろう 1959年生まれ、東京都出身。青山学院大卒。全国朝日放送(現テレビ朝日)を経て、94年に第一交通産業に入社、2001年から代表取締役社長。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:創意、誠意、熱意
  2. いま夢中になっていること:愛犬ロイくんの世話
  3. 休日の過ごし方:愛犬ロイくんと過ごしている