新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

東京バス 西村晴成社長

 -2021年を振り返って。

 前年に続けて新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。糸満市役所から豊見城市豊崎を経由して国際通りを結ぶ当社の路線バスは外出自粛によって乗客が減少し、売り上げが1日あたり数万円まで落ち込んだこともありましたが、緊急事態宣言が解除された昨年10月以降は、観光客や県民の皆さんの利用がだいぶ増えてきました。那覇商業高校前にもバス停を新設し、学生定期をご利用いただくことで4割引きで乗れるようにしました。ぜひ通学でも多くの方に利用していただきたいです。

 ただ、観光バスは修学旅行の受け入れが中心で、一般の団体のお客さまはまだ戻りが鈍いです。感染対策などのルールを守った上での団体旅行は問題ない、というメッセージの発信や働き掛けをしていくべきだと思います。

 -県内のバス事情をどう見ているか。

 沖縄には鉄道がありませんが、既存の公共交通機関として県内に張り巡らされたバス路線網があります。ただ、路線が複雑で分かりにくく、県外から来た人が路線バスを使って観光地に行きづらいという課題があると感じます。乗り換え案内などが分かりやすくなれば利用も増えてくると思います。

 また、利用者の目線で考えれば、全国と比べても割高な料金体系を見直すことができないか、今後は業界全体で議論していくことも大事だと思います。そうすることで、公共交通を利用する人はさらに増えていくと思いますし、県内の交通渋滞の解消にもつながります。

 パークアンドライドの充実も一つの方法だと思います。収益を補填(ほてん)できるだけの観光客の利用や県民の生活の足としての利用を増やしていく工夫がこれからは必要だと感じます。

 -今後の戦略は。

 路線バスに関しては、糸満市の名城ビーチ近くにホテルが開業するのに合わせて路線を延伸できないかと考えています。利便性がさらに高まれば、観光客のみならず県民の方々の通勤にも使っていただけるのではと思います。

 貸し切りバスに関しても、利用を増やすために高速バスの導入や、自治体のコミュニティーバスとして地域の役に立つことができないかなど、知恵を絞りながらいろいろと動いていきたいです。

 人材育成にも力を入れていく考えです。現在、グループで聴覚障がいのある運転手3人を採用していますが、沖縄でもぜひチャレンジしてもらいたいと思います。

 -22年の抱負を。

 バスに乗ってお出掛けする時間を、いかに楽しんでもらえるかだと思っていますので、いろいろな面白い工夫を仕掛けていきたいと考えています。沖縄は非常にポテンシャルの高い地域です。ゆくゆくは県内を巡る独自のツアーも開発したいと思いますし、よりエンターテインメント性のあるバスを目指していきたいです。

  1969年、大阪府出身。妻は県出身でプロゴルファーの山里愛氏。国会議員秘書を経て2010年に東京バス代表取締役に就任し、16年1月に東京バスグループの代表にも就任した。日本バス協会貸切委員会委員や東京バス協会理事も務める。

 にしむら・はるなり 1969年、大阪府出身。妻は県出身でプロゴルファーの山里愛氏。国会議員秘書を経て2010年に東京バス代表取締役に就任し、16年1月に東京バスグループの代表にも就任した。日本バス協会貸切委員会委員や東京バス協会理事も務める。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:先義後利
  2. いま夢中になっていること:ゴルフ
  3. 休日の過ごし方:おうちでゆったり