新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

高安正勝氏 ぬちまーす社長

 -2021年を振り返って。

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、店舗への来客数が減少したため大幅な減収を危惧していましたが、ふたを開けてみると卸売りの売り上げが大きく増加し、驚きました。またネット販売も安定しており、過去最高の年間売り上げを見通しています。在庫は底をつき注文は2か月待ちの状態で、営業の現場からは「あまり宣伝をしないでほしい」と注意されたほどです。詳しい要因は不明ですが、健康志向の高まりが背景にあると考えています。

 コロナ禍でも売り上げが伸びているのは喜ばしいですが、数年前から慢性的だった在庫不足がさらに深刻になったとも言えます。

 -2022年の重点施策は。

 3月にはコロナ禍の影響で2年ほど遅延していた、新工場建設に着工できる見込みです。5億5千万円から6億円ほどかけ、現工場に併設する形で10月頃の完成を目指します。年間生産量は現在の100トンから2・5倍の250トンに増加します。倉庫も造りますが、それでもすぐに在庫不足に陥ると思います。限られた量を少しずつ生産していてもきりがないので、一気に生産量を20倍程度にする大幅な刷新が近く必要になると考えます。

 また提携している食品製造大手の伊那食品工業(長野県)と協力し、全国展開も加速します。同社からはぬちまーすをPRする本も出る予定です。

 -今後の課題と戦略は。

 少しずつ理解は進んでいますが、塩は健康に悪いというイメージはまだ根強いです。ぬちまーすはカリウムやマグネシウムなど人間に必要なミネラルを豊富に含んでいるのに、まだまだそれが浸透していない。今後は塩化ナトリウムの量を調整した商品の展開などに取り組みたいです。

 また、ぬちまーすは生理痛の緩和に効果があるというデータも出そろってきました。塩は生命に必要なもので、親子の健康にいいということを広めていきたいです。

 -社会貢献にも積極的です。

 2010年から実施している、うるま市内の小学校給食へのぬちまーすの提供は在庫不足の中でも続けています。累計は金額で6500万円ほどになりました。子どもたちのために会社がある限り続けていきたいです。また工場隣のショップでは県内アーティストの作品を展示・販売するなど、文化振興にも取り組んでいます。

 -2022年の抱負を。

 2年越しの課題だった工場の増設にやっと着手できますが、これで終わりではなく、さらに次の増産体制への検討を始める年になります。大幅な増産体制の構築には機械化などの技術革新が不可欠になると思います。

 塩が持つイメージを変え、「ぬちまーす」という言葉を世界中に広げたい。そして、ぬちまーすと取引することがブランドの向上につながる、と言われるような企業になることが目標です。

 たかやす・まさかつ 1947年生まれ、うるま市出身。琉球大学卒。南西航空(現JTA)勤務を経て、97年にベンチャー高安有限会社設立。2006年株式会社ぬちまーすへ商号変更。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:人間万事塞翁が馬
  2. いま夢中になっていること:島バナナを育てること。新品種を作りたい
  3. 休日の過ごし方:庭の草むしり