新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

美十 酒井宏彰社長

 -2021年を振り返って。

 生八つ橋「おたべ」、バウムクーヘン「京ばあむ」などを看板商品とする弊社にとっては、緊急事態宣言の影響を受けた観光業と並び、引き続き厳しい一年でした。そんな中、お客さまから「久しぶりに京ばあむを食べたらおいしかった。また京都へ行きたい」というお手紙をいただき、本当にうれしく励まされました。観光土産菓子へのダメージは大きかったのですが、量販店や街の製菓店はむしろ好調で、お菓子は生活必需品ではないけれど、なくてはならない大きな力を持っているものであると実感しました。

 一方、沖縄での展開をはじめ、東京都内や北海道・美瑛の店舗などで人気の洋菓子ブランドとして知られるラ・テールの子会社化、京出汁(だし)おいなり「釣狐」の祇園本店オープン、京都駅地下街ポルタへのカレーパン専門店の出店など、さまざまなプロジェクトを推進することができた年でもありました。

 -県内での事業展開について。

 昨年7月、おもろまちに「琉球クロワッサン」を開店しました。このクロワッサン専門店は、弊社の高級食パン専門店「別格」の姉妹ブランドで、生八つ橋「おたべ」で培った粒あん作りから生まれたあんバター、沖縄黒糖を使った黒糖バナナ、沖縄の塩を生かした商品などをお楽しみいただけます。また、国際通りの沖縄発バナナスイーツ専門店「バナナパラダイス」も、この店舗内へ移転しました。さらに、バナナパラダイスにはキッチンカーを導入し、久茂地などで営業を始めました。

 そして、うるま市にある沖縄工場では、地元の徳森養鶏場のブランド鶏卵「くがにたまご」を使ったバウムクーヘン「くがに物語」を製造し、大変ご好評いただいております。これからも地元・沖縄の皆さまに、弊社の自信作をより身近にお楽しみいただけるよう、努めてまいります。

 -今後の沖縄での取り組みは。

 黒糖、塩、小麦、農産物などの魅力的な沖縄県産食材を使い、沖縄工場で製造する、「オールオキナワ」のお菓子作りをぜひ実現したいと思います。また、この沖縄工場を活用し、沖縄土産菓子のОEМ菓子製造の分野で地元企業と協業したいと考えております。

 この春からは沖縄がテーマの連続テレビ小説「ちむどんどん」の放送が始まり、沖縄の注目度が高まることが期待され、ドラマとのタイアップ商品の企画も進めています。

 -新年にあたっての抱負を。

 新型コロナ感染拡大が本格的に収束すれば、沖縄観光は劇的に回復すると思いますので、うるま市の工場の本格稼働を目指します。

 弊社は土産菓子が軸足ではありますが、「京都へ行かないと買えないお菓子」というこだわりを打破して、自家消費の需要も大切にし、京都以外での営業にも積極的に取り組みます。そして2023年夏の京都での京ばあむ専用工場の稼働を旗印に、待つよりも自ら動き、攻める年にしてまいりたいと存じます。

 さかい・ひろあき 1966年京都生まれ。85年、アメリカの料理製菓専門学校「The Culinary Institute of America」入学。92年株式会社おたべ入社。副社長を経て2001年から現職。15年、社名を株式会社美十に変更。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:「唯一無二」の食品グループを目指します
  2. いま夢中になっていること:SLなどの撮影。鉄道にロマンを感じます
  3. 休日の過ごし方:一杯やりながら料理を楽しんでいます