新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

マギー 山川朝賢社長

 -2021年を振り返って。

 弊社はスーパーによって異なる生鮮品のコードを統一した「i-code」で特許を取得しています。これによりスーパーは消費動向を容易に分析でき、仕入れの効率化も図ることができます。

 スーパー利用者のポイントカードなどの情報を基に購買データを蓄積した「ID-POS」も保有しています。1日あたり全国から約500万世帯分のデータを沖縄で処理しています。このビッグデータを活用し消費者一人一人にお得な情報やクーポンを届けて来店を促すパーソナル・プロモーション事業に数年前から取り組んで参りましたが、昨年、ようやく軌道に乗り始めました。

 店頭入り口にポイント付き電子マネーを読み取る専用機「PAL(パル)」を設置。購買データを人工知能(AI)で分析し、一人一人の好みに合わせたクーポンを発行するなどして、プロモーション効果を高める仕組みです。中部薬品(バローグループ・本社岐阜県)が東海・北陸・近畿エリアで展開するVドラッグ395店舗を皮切りに、3月までに1千店舗への導入を目指しています。

 -インターネット上では大量のデータを持つプラットフォーマーが存在感を高めていますが、リアル店舗では例のない取り組みです。

 今後もデジタル化は進むと思います。しかし、現時点ではアナログも多く活用されています。あくまでアナログがあって、その上でデジタルの力が生きてくるものだと思っています。この点、PALは来店客と1対1でつなぐデジタルの入り口と言えるでしょう。沖縄で行った実証実験では、同一チェーンの中でPALを設置した店では売り上げが3・5%も伸びるなど、大きな成果を上げました。新たなメディアとして、消費財メーカーにも大いに活用して頂けると確信しています。

 -大量のデータを処理する専門人材も確保する必要があります。

 食材のマーケティングなどを手掛けるデータアナリストの育成に力を入れてきました。高度なIT人材の育成は、全国に比べて所得が低い沖縄県の労働生産性向上に貢献できるものだと考えています。

 昨年は沖縄県母子寡婦福祉連合会と連携し、シングルマザーの方々を対象とした人材育成講座も開講しました。今後新たに400人のデータアナリストを育てたいと考えています。所得の向上につなげ、貧困家庭を減らしていく一助になればと取り組んでいます。

 -新年の抱負は。

 引き続きパーソナルプロモーション事業の拡大を図り、沖縄の「自立」の一翼を担える産業に成長させていきたいと考えています。一昨年に連携協定を締結した滋賀大学とともに、全国のi-code化された地域食品の需要情報のオープン化も進めていきます。データを公開することで多くの事業者の適正発注、ひいては国内の食品ロスの削減に貢献したいと思います。

 やまかわ・ちょうけん 1957年生まれ、那覇市出身。エンジニアを経て88年、エス・ピー・オー設立。2001年にアイディーズ、17年には凸版印刷などの出資を受けマギーを設立。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:利他の心
  2. いま夢中になっていること:新しいメディア事業
  3. 休日の過ごし方:3歳と5歳の孫と旅行