新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

末広尚希理事長 社会福祉法人・ライオンの子

 -2021年はライオンの子保育園創立10周年の節目の年でした。昨年を振り返って。

 特に印象に残っているのは、当保育園に対し保護者から「わが子を預けることができて本当に良かった」という声を多く頂いた年だったということです。幼児期は人格形成の礎となり、そこで得た非認知能力や知恵は人生の成功と直結することはすでに知られている通りですが、研究して実践している幼児教育施設はほとんどありません。

 保育所の役割として、社会福祉として親の就労を支え、生活の安定のための預け先であることは否定しませんが、それを盾にして園の経営者があらゆる理由で子どもを心のレンズで見ようとしないきらいがあります。「預かっているのだから、方針に従ってください」という閉塞(へいそく)的な保育園もある。近年のコロナウイルスの出現で、保護者にはますます保育園の中が見えにくくなり、子どもの声が親に届かない。県内でもほとんどの保育園が行事を中止し、その代替案がないまま2年が過ぎようとしています。ライオンの子保育園県内7施設のグループの全ての保育園では、試行錯誤、工夫を繰り返し、全ての行事や保護者との連携を途切れさせず、より鮮明に「子ども主体の育ち」をみんなで深め、さらに進化した園をつくりあげた貫徹の1年でした。

 -昨年取り組んだ具体的な挑戦について。

 時代に見合ったデジタル化へと進化すべく、ICTを全園に導入しました。保護者はネット環境さえあれば、専用アプリを通して毎日、園内での様子を写真付きで知ることができます。親と交わす日々の連絡帳を手書きで書く保育士の業務も軽減され、信頼関係構築にも役立ちます。まだまだこのような保育士負担軽減策に取り組んでいる保育園は少ないと感じます。

 もう一つの大きな挑戦は、多くの職員が全額会社負担で福岡まで行き、幼児教育体育資格を取得したことです。体育という専門性を保育士が身につけることで、保育の質をさらに高みへと持ち上げていくためです。「人」に投資し、質が磨かれ、多くの情報が集まり、チームとなり社会的価値の高いオンリーワン企業となっていくことは、どの業種においても最も遠回りのようで実は最も実力が蓄積されていく成功法則です。

 -新年の抱負をお聞かせください。

 創業10年の節目を超えたにふさわしい、地域の元気と希望をリードする保育園づくりを続け、待機児童となっている親子にも安心できる支援ができればと考えています。職員一人一人が働きがい、やりがい、生きがいを重ねるチャレンジングな保育園はライオンの子保育園ならではです。その唯一無二の強みを大切にしていきます。個人的なことですが、特別支援教員免許を取得する事で、人が生まれてから成人するまでの全ての教員免許の完全取得と、世界メジャー6大会のマラソン制覇を成し遂げ、子どもたちへ世界のメダルを見せるのが楽しみなんです。

 すえひろ・なおき 1977年生まれ、宮古島城辺西城出身。琉球大学大学院修了。沖縄県「子ども子育て会議」委員も務める。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:どんな自分を見つけるか自分(陶芸家・河井寛次郎の言葉)
  2. いま夢中になっていること:世界級マラソン(ワールドマラソンメジャーズ制覇目標)
  3. 休日の過ごし方:朝イチで家族でパン屋巡りをする