新春 TOP INTERVIEW 2022

 沖縄経済の第一線で活躍する企業・団体の経営者に、新たな年を迎えるにあたっての抱負や展望、変化の激しい時代を見据えた今後の事業展開、地域貢献への思いなどをうかがいました。

川上康氏 琉球銀行頭取

 -2021年を振り返って。

 新型コロナウイルスの影響が反映された1年でした。お客さまの事業支援に取り組んできましたが、コロナの影響を受けて、銀行の貸出金の需要が減っているという印象を受けています。

 コロナ関連の「ゼロゼロ融資」で予防的に資金調達をした企業もあり、将来の資金ニーズも起きにくい状況です。景気はこれから回復に向かいますが、経済環境が元に戻るのに2~3年かかると見ています。

 -企業の業績悪化に備える、与信費用の新たな算定方法「フォワードルッキングな引当」を導入した。

 コロナの影響を受けた事業者の財務面での回復は、経済環境より時間がかかると見ています。今後10年ほどにわたり、ダメージを受けたお客さまと一緒に経営改善支援に取り組んでいくという覚悟が必要になります。与信コストを十分に積んだことで、今後は腰を据えてお客さまの伴走支援ができる環境が整えられました。

 -デジタル化にも取り組んできました。

 個人の若年層に対しては、スマホアプリなどプラットフォームの充実を強化してきました。また将来的には店舗に来る人が減る中、タブレット端末で受け付ける仕組みや、電話の受信を本部へ集中させ対応するなど、店頭の仕事の合理化も行ってきました。

 窓口の職員はコンサルティングビジネスの方へ移行させていきます。融資が主力であることに変わりありませんが、法人や個人(相続相談)のコンサルティングが今後の重点分野となっていきます。

 カード関連ビジネスも、従来から新しい事業分野として取り組んで来ましたが、だいぶ形になり、収益を生みだすようになってきました。先行して取り組んでいた分、メリットがあったと感じています。コロナ禍で非接触といったニーズに偶然マッチした形ですが、これからもこの方向を堅持していくつもりです。

 -気候変動など、社会課題への対応は。

 脱炭素化社会に向けては、自分たちの排出する二酸化炭素を減らすと同時に、いかにお客さまの二酸化炭素削減を支援するかの2つの視点が重要です。

 当行の融資残高のうち、約6割が個人の住宅ローンやアパート向けの貸出です。住宅やアパートなどにターゲットをしぼり、ZEB、ZEHの認証機関設立など、ビジネスを展開できるように、関係業界との連携にも注力していきます。

 -22年の抱負は。

 先行投資や新しい稼ぎの柱など、コロナ前から取り組んで来たことが一定程度、形となってきています。今後はコンサルティング分野の人材のスキルをどう伸ばしていけるかが重要になり、人材育成に注力していきます。

 かわかみ・やすし 1961年那覇市生まれ。東北大卒。85年琉球銀行入行。取締役総合企画部長兼関連事業室長、常務取締役などを経て2017年から現職。


人柄に迫る3つのパーソナルクエスチョン

  1. 座右の銘や好きな言葉:自由闊達
  2. いま夢中になっていること:よく寝ること
  3. 休日の過ごし方:ウオーキング