感染症に対する理解を深めてもらおうと、沖縄ろう学校高等部保健体育教諭の玉城裕士さん(39)が「感染症予防カードゲーム」を考案した。遊びの要素を取り入れながら、感染症の種類や症状、感染経路、予防方法などを学べる仕組み。玉城教諭は「コロナ禍の中、正しい知識で自分の体を病気から守ってほしい。エイズ予防に関する部分もあるので性教育にも役立つ」と話す。(社会部・下里潤)

感染症の知識が学べるカードゲームを楽しむ沖縄ろう学校の生徒たち=12月20日、北中城村の同校

感染症予防カードゲームを考案した玉城裕士さん

感染症の知識が学べるカードゲームを楽しむ沖縄ろう学校の生徒たち=12月20日、北中城村の同校 感染症予防カードゲームを考案した玉城裕士さん

 世界エイズデー(12月1日)の教材作りを考えた際、楽しみながら感染症を予防できる力を育てられないかと考えた。「カードゲームなら障がいの有無や年齢にかかわらず理解が深まるのでは」。昨年11月ごろから既存のゲームなどを参考にルール作りを始め、試行錯誤を繰り返していった。

 予防や対処方法が異なることから感染症をシンプルに菌、ウイルス、性感染症の3種類に分類。3~6人程度で遊ぶことを想定し、「生活できごとカード」と称した山札の中から順番に1枚引き、書かれた指示に従うゲームを考案した。

 例えば「外で遊んだ後、汚れたままで食事した。ノロウイルスに感染」と書かれたカード。何の対策もしなければ感染してしまうが、マスクや手洗い、ワクチン、薬などの予防・救護カードが手元にあれば感染を予防できたり、症状を和らげたりできる。

 山札を全て引き終えた時、最も健康な人が勝者となる。お金の大切さについても学んでもらおうと、予防・救護カードはコインで買える仕組みにした。

 玉城教諭は「座学の授業だけだと、どうしても説明が多くなり、受け身になりがちだ」と説明。「カードゲームを通じて感染症を『自分ごと』として体験すれば、より学びにつながる。正しい知識も身に付けられれば、病気による差別もなくなる」と力を込める。

 授業でカードゲームを楽しんでいるという同校高等部2年の徳里政士郎さんと比嘉勇汰さんは「これまで病気の名前は知っていたが、具体的な予防法は知らなかった。ゲームを通じて知識が付いた。楽しい」と感想を述べた。

 玉城教諭は今後、年齢に応じて楽しめるよう難易度を変えたり、新しいカードを加えたりして改良していく予定だ。「希望者がいれば教材として提供するので、多くの人にゲームを楽しんでもらいたい」と笑顔を見せた。