通常国会がきょう召集される。岸田文雄首相にとって初めての通常国会ということで注目されているが、沖縄にとっては復帰50年の節目に迎える国会である。

 沖縄返還協定を審議していた1971年11月、「沖縄米軍基地縮小に関する決議」が国会で全会一致で採択された。

 「政府は沖縄米軍基地について速やかな将来の整理縮小の措置を取るべきである」と記されている。

 復帰から四半世紀後の97年4月にも国会は沖縄に関する決議を賛成多数で可決した。

 「沖縄における基地問題ならびに地域振興に関する決議」は「沖縄県民の筆舌に尽くし難い米軍基地の過重負担に対する諸施策が極めて不十分であった」と反省し、政府に基地の整理・縮小、移転に全力で取り組むことなどを求めている。

 二つの国会決議を経て沖縄は今どうなっているのか。

 復帰前に建設された米軍基地の多くがなお沖縄に残る。

 本土では返還が進んだため復帰時に沖縄6割、本土4割だった米軍専用施設面積の割合はさらに広がった。国土面積の0・6%しかない沖縄に米軍専用施設の約7割が集中している。

 日米特別行動委員会(SACO)で合意した11施設の返還もほとんどが県内移設を条件としており、返還が全て実現しても69%が沖縄に残ることになる。

 国会の決議は重い。にもかかわらず整理縮小が実現できていないことを重く受け止めるべきだ。復帰50年にあたり国会は沖縄の基地負担軽減を改めて議論し、実現への道筋を示してもらいたい。

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 今国会には、沖縄にとって重要な法案が提出される。沖縄振興の根拠となる改正沖縄振興特別措置法(沖振法)案だ。

 沖振法は復帰後、10年ごとに延長を4回重ねており、今年3月に期限を迎える。

 沖縄は復帰後、本土との格差是正を掲げた沖縄振興開発計画で道路や空港など社会資本の整備が進んだ。

 一方で1人当たり県民所得は全国の7割の水準にとどまっている。賃金水準が低く雇用の不安定な非正規労働者の割合も高い。子どもの貧困率は全国の倍近くだ。

 自立型経済の確立はなお道半ばである。

 残された課題を新たな沖振法でどのように解決するのかが問われている。2022年度には新たな振興計画がスタートする。沖縄の将来を見据えた法案を求めたい。

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 沖振法の延長を巡っては昨年、自民党沖縄振興調査会から適用期限を「5年」とする案が突然挙がった。

 内閣府はその後、適用期限を10年とし、新たに「5年以内の見直し」を付則に明記する方針を固めた。

 時代の変化に応じた見直しは一定必要だが、5年期限案はあまりにも唐突だった。

 新振計はコロナ禍の影響が残る中でのスタートとなる。傷んだ経済を再生させ、沖縄の自立的発展と豊かな住民生活の実現のための措置を議論してほしい。