南太平洋・トンガ沖の海底火山で15日に大規模噴火が発生し、気象庁は16日午前0時15分から、鹿児島県の奄美群島・トカラ列島や岩手県に津波警報を、沖縄地方を含む太平洋側全域を中心に津波注意報を順次発表した。奄美市小湊1・2メートル、岩手県・久慈港1・1メートルなど各地で津波を観測。全国8県で最大約22万9千人が避難指示の対象となり、漁船の転覆や鉄道の運休など被害や影響が広がった。(6・29面に関連)

複数の船が転覆したり、沈んだりした高知県室戸市の港=16日午前10時24分(共同通信社ヘリから)

 日本海側には津波予報を発表。警報と注意報は最初の発表から約14時間後の16日午後2時までに全て解除された。今後しばらく、多少の海面変動が継続する可能性があるが災害の恐れはないとしている。海中での作業や釣りなどのレジャーに注意を呼び掛けた。

 沖縄県によると16日午前8時までに最大11カ所の避難所が開設され、222人が避難した。津波は県内全7カ所の観測地点で観測され、最大波は沖縄市の中城湾港(15日午後11時36分)、南城市安座真(同11時35分)、宮古島市平良(16日午前0時4分)の30センチだった。

 南西諸島の奄美、トカラで津波警報が発令された一方、沖縄地方は注意報にとどまった理由を、沖縄気象台は「港や湾の形が影響しているのではないか」と説明した。

 名瀬測候所(奄美市)によると奄美はリアス海岸で、湾が入り組んだ形をしている。担当者は波が高くなった理由は分析中とした上で「湾の形も要因の一つに考えられる」と話した。

 奄美と同様に津波警報が出た岩手県も、リアス海岸で知られる。

 沖縄気象台によると、沖縄地方で30センチが観測されたのは、2011年3月11日の東日本大震災以来。津波注意報は、15年9月にチリ中部沖で発生した地震以来だった。

 総務省消防庁によると、避難指示が出た8県は青森、岩手、宮城、千葉、徳島、高知、宮崎、鹿児島。夜間に避難所へ向かった人も多く、奄美市では徒歩で避難中の100歳女性が転倒し負傷した。