沖縄県名護市の金城進さん(63)が19日、国際協力機構(JICA)の技術プロジェクトのチーフアドバイザーとして、南半球の島国「サモア」へ出発する。名護市役所の環境水道部長も務めた金城さんは、サモアで約3年間、専門家として浄水場の維持・管理や水道管の修繕などに関する技術移転に取り組む予定。金城さんは「技術を通して国づくりに参加できるのはうれしい。現地の人を主役に、裏方として技術普及に取り組みたい」と意気込んだ。

世界地図でサモアの場所を示し「サモアと沖縄の信頼関係構築に取り組みたい」と意気込む金城進さん=13日、名護市・コワーキングオフィス「howlive(ハウリヴ)」

サモア

世界地図でサモアの場所を示し「サモアと沖縄の信頼関係構築に取り組みたい」と意気込む金城進さん=13日、名護市・コワーキングオフィス「howlive(ハウリヴ)」 サモア

 高校時代から、JICAの活動に興味があったという金城さん。大学卒業後は土木技士としてダム建設などに関わるゼネコンに約5年間勤務し、その後、1985年に名護市役所に入庁した。念願をかなえ、90~92年には公募で選ばれてJICAの隊員として2年間サモア派遣を経験。水道整備事業に携わった。

 当時のサモアでは浄水場は整備されていたが、7割以上の水が配水管から漏れ、水道料を徴収できるのは3割弱。水道管整備の技術や資材の不足が大きな原因だったという。2010年~12年にもそれぞれ1カ月間ずつ、宮古島市の草の根協力プロジェクトでサモアへ渡った。その時には、技術を習得した人が外国へ流出してしまうことが大きな課題となっていた。

 金城さんはこうした技術や経験を買われ、名護市の水道行政にも長く携わった。環境水道部長まで勤め上げ、19年に定年を迎えた。「ボランティアの隊員ではなく、いつかは専門家として再びサモアの地を踏みたい」。そう考えていたという金城さんに、今度はJICA側から推薦の声が掛かり、今回のサモア派遣が決まった。

 新型コロナウイルスの影響で出発は予定よりも1年以上遅れたが、この間にも英語の復習などの必要な準備を進め、ようやく出発日を迎えようとしている。

 今回は金城さんが、メンバーを統括しプロジェクトを進めるチーフアドバイザーを務める。技術普及だけでなく、技術者の国内定着のため、サモアが周辺諸国の研修拠点となるよう研修体制を構築することが将来的な大きな目標だと話す。

 約10年ぶりの再訪に「ワクワクする。ホストファミリーとの再開も楽しみ。自分の持つ技術や経験を伝え、サモアと沖縄の信頼関係構築につなげたい」と意気込んでいる。