旧暦12月8日の「ムーチー(鬼餅)」の時期に合わせ、沖縄県宜野湾市の大山小学校(宮城信夫校長)で13日、同小に赴任歴のある元教員、新垣トシエさん(63)=那覇市=が自作の絵本「金丸とムーチーとうちゃたいまぐらぁ」を3年生約100人に読み聞かせた。新垣さんは、長女の翔子さんが手作りしてくれたというムーチーの形のネックレスを着けて登場。月桃のエッセンシャルオイルをティッシュに染み込ませて教室中を歩き、児童を絵本の世界に誘った。

3年1組の子どもたちに絵本を読み聞かせる新垣トシエさん(右)=13日、宜野湾市・大山小学校

新垣トシエさん作の絵本「金丸とムーチーとうちゃたいまぐらぁ」

3年1組の子どもたちに絵本を読み聞かせる新垣トシエさん(右)=13日、宜野湾市・大山小学校 新垣トシエさん作の絵本「金丸とムーチーとうちゃたいまぐらぁ」

 同絵本は、新垣さんがおととし出版した。「うちゃたいまぐらぁ」はムーチーを腐らせるマジムン(魔物)。西原町内では「うちゃたいまぐらぁ」を避けて1日早くムーチーを供えるといい、新垣さんは1996年に西原東小学校に赴任して知ったという。

 絵本の主人公は、賢く力持ちでムーチー好きの青年「真五郎(まぐらぁ)」。後に尚円王となる西原間切(まぎり)の内間領主、金丸(かなまる)に出会い、金丸の用心棒として信頼されていく様子をうちなーぐちを交えて描いた。暗殺され、「御茶多理毛(うちゃたいもう)」といわれる場所に葬られると、ムーチーが腐る事件が周辺で頻発。金丸が死去し、あの世でまぐらぁのマブイと再会すると収まったという。

 絵本では、うちゃたいまぐらぁを「金丸に仕えた西原のヒーロー」と紹介。「金丸とのチムグクルが琉球国を発展させたってすごいね」と締めくくり、まぐらぁにムーチーを一つ分けてあげようと提案した。

 3年1組(宮城奈津紀担任)での読み聞かせでは、児童の與那覇大雅さんが「まぐらぁ? マグロのこと?」と首をかしげて始まった。まぐらぁが初対面の金丸に「やーこそ、たーやが(お前こそ誰だ)」と強気で聞き返す場面に、山田優季(ゆずき)さんは思わず「ふふふ」と笑った。新垣さんが「金丸は第二尚氏の最初の王様。じゃあ尚巴志は?」と聞くと、上里珠里奈(じゅりな)さんは「知ってる。第一尚氏を始めた人」とすらすら答えていた。