沖縄県内の選挙ポスター掲示板を、インターネット上の地図に表示させる取り組みが広がりをみせている。「沖縄選挙ポスター掲示板情報ポータル」では、すでに公開されている那覇版に加え、1月23日に市長選挙の投開票を控える名護市、南城市、さらに八重瀬町、南風原町の4市町版が公開された。作成するのはウェブエンジニアの大田小波さん、塾講師の玉城陽平さんをはじめとした有志たちだ。ことしは県内18市町村で首長選、30市町村議会で議員選がある「選挙イヤー」。どのような効果を狙っているのか、取り組みについて聞いた。

 きっかけは大田さんが2021年7月の那覇市議選で那覇版を作成したことだ。選挙関係者から「掲示版へのポスター張り出し作業が大変だ」という話を聞く機会があった。公開後に「掲示板の場所が分かりやすくなった」などの反応があったという。

 今年は県内各地で多くの選挙が控えていることもあり、大田さんは掲示板マップ作成を全県的に取り組みたいと考えていたそうだ。テクノロジーを使った社会課題解決に取り組んでいる「シビックテック」の一環だ。

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シビックテック(Civic Tech)とは

 市民(=シビック)とIT(=テクノロジー)を掛け合わせた造語。市民自らがITを活用し生活を便利にしたり、行政サービスの問題や、社会課題の解決に取り組む活動をいう。

 そこに声をかけたのが玉城さんだ。南風原町議会の議員情報や質問などがまとめられ、無料で利用できる「非公式南風原町議会アプリ」を作成するなど、玉城さんもシビックテック活動を行っている。

 玉城さんの地元、南風原町でも選挙を控えていることもあり、県内市町村の掲示版マップをまとめるサイトがあればと大田さんに連絡をとったという。

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 ともに全県展開を考えていた2人が立ち上げたのが「沖縄選挙ポスター掲示板情報ポータル」だ。サイトやSNSなどを見た有志が1月14日時点で12人集まり、沖縄、うるま、宜野湾、読谷、嘉手納、北谷、浦添、与那原の市町村でもマップ作成に向けた取り組みが始まっているという。

 作成の手順はこうだ。(1)市町村の選挙管理委員会からポスター掲示板の設置場所の住所、地図資料を入手する(2)住所をエクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトにまとめる(3)Googleマップにデータをインポートする(4)地図上に表示されたポイントと資料を照らし合わせ位置を調整する。

 ただし指定される設置場所の地番がGoogleマップで表示されないこともある。なので住所の備考欄や選管作成の地図などを参照して位置を合わせていく。選管の資料によっては地図の精度が異なり、Googleマップと食い違うこともある。また全てのポイントを現地で確認しているわけではなく、道路工事などでも実際の場所とずれる可能性がある。玉城さんは「知らない地域だと手間がかかるが、土地勘があればやりやすい。閲覧して位置のずれに気がついたら、サイト内のフォームから連絡してほしい」と呼び掛けている。

 沖縄県選挙管理委員会によると、ポスター掲示板は、2021年10月31日の衆院選では県内2362カ所に設置された。公選法では選挙ポスターは投票区に応じて...