沖縄振興特別措置法(沖振法)と、同法に基づいて県が作成した沖縄21世紀ビジョン基本計画(第5次沖縄振興計画)は、いずれも3月末で期限切れを迎える。

 政府・与党は沖振法の改正案作りの、大詰めの調整作業に入った。県による新たな振興計画(案)の作成作業も、最終段階を迎えている。

 復帰50年。沖縄の振興を目的とした法律や計画は、この半世紀の間にどのように変わってきたのだろうか。

 復帰の際、沖縄振興開発特別措置法に基づいて策定された沖縄振興開発計画は、「本土との格差是正」を最大の柱にしていた。

 第1次から第3次まで、30年間の計画期間中に道路、空港、港湾など社会資本の整備は急速に進んだ。

 その半面、高率補助に支えられた公共事業主導・財政依存の経済構造が新たな問題として浮上した。

 本土並みを目指した追い付き追い越せ型の施策から、沖縄の独自性を生かしたフロンティア創造型の施策へ。

 第4次計画で軌道修正が図られ、「開発」という言葉が法律名からも計画名からも消えた。

 県の自主性を尊重するとの国の方針に基づき、これまで国が策定していた振興計画を県が策定するようになったのは、第5次計画からである。

 一括交付金制度が導入されたのもこの時だ。沖縄振興体制は新たな局面を迎える。

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 「復帰50年」後の沖縄振興はどうあるべきか。

 辺野古の新基地建設問題が浮上したことで、安倍・菅政権は、沖縄振興予算の蛇口を閉めたり緩めたり、アメとムチの政策を露骨に振りかざすようになった。

 県の自主性尊重という流れが逆行し始め、沖縄の中で分断と対立が表面化した。

 1人当たり県民所得は今も全国最下位。子どもの相対的貧困率も全国を大きく上回り、非正規労働者の割合も全国一高い。

 コロナ禍で多くの人たちが生活苦を訴え、沖縄社会全体が「負の連鎖」から抜け出せないでいる。

 新たな振興計画では、これら積年の課題を解決することが重視されるべきで、そのための具体的な施策が盛り込まれていなければならない。

 コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた観光業の再生も焦眉の課題である。同時に、観光一本やりの経済構造も見直しが必要だ。

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 沖振法改正案の検討を進めている政府は、国際物流や観光などの拠点整備を促す地域・特区制度に関し、事業者が税制優遇を受ける条件に従業員の給与増額を盛り込む考えだという。

 ザル経済を改め、地元を潤す仕組みを作る必要がある。

 企業の収益力を向上させ、雇用者の待遇改善につなげること。人への投資と民間の資本蓄積を進めること-。

 これらの課題達成によって好循環を生み出すことができれば、貧困問題の解決にもつなげることができる。